内装工事の見積もりで知っておくべきこと一覧!項目・例と見方を解説

「とりあえずどこかの内装工事業者から見積もりを取ってみよう」

そう考えている場合は要注意!なぜなら店舗内装工事の見積もりには以下のように理解すべきポイントがたくさんあるからです。

見積もりは十分な期間を設けることと、見積もりを依頼する業者の選び方がとても重要になります。

見積もりは業者の選定から2ヶ月かかるということを理解していないと予定通りに店舗をオープンできなかったり、内装工事業者に見積もりを急かすことになり、正確な見積もりを出してもらえない可能性があるので注意が必要です。

また、時間がかかることを考えると、「とりあえずどこかの業者に見積もりを依頼してみよう」と適当に業者を選ぶのはかなり非効率的な方法と言えるでしょう。

そこで、この記事では以下の内容を解説しています。

この記事を読むことで、見積もりにかかる期間や見積もりを依頼する場合に気を付けるべきこと、見積もりの比較の方法がわかります。

見積もりに記載される項目の説明もありますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

1.店舗内装工事の見積もりの流れ

冒頭で説明した通り、内装工事の見積もりを出してもらうまでには、内装工事業者の選定から最低でも2ヶ月はかかります。施工自体は一般的に1~2ヶ月程度なので、見積もりを取るまでの工程の方が時間がかかるのです。

まず、見積もりが提示されるまでの流れを見てみましょう。

見積もりが提示されるまでの流れ

では、各ステップでどのようなことをするのか、期間はどの程度見ておけばいいのかについて説明していきます。

STEP1.内装工事業者の選定

最初のステップは内装工事業者の選定です。内装工事業者には大きく3種類あり、希望や条件に合う業者の種類を決めることが内装工事成功のカギとなります。業者の種類と特徴は以下のようになります。

特徴こんな人におすすめ
デザイン設計会社デザイン性・集客性の高い店舗が造れるが、やや費用が高く工期が長い内装にこだわりたい人 予算と期間に余裕がある人
内装会社デザインから施工まで一括して依頼ができるが、デザイン性はデザイン設計会社に劣るスムーズに内装工事を進めたい人
施工専門の工務店費用が安く現場の対応力に優れているが、デザイン力や提案力が弱い施工箇所が明確に決まっており、費用を抑えたい人

このように、

  • デザイン重視ならデザイン設計会社
  • 工期の短さ重視なら内装会社
  • 費用の安さ重視なら工務店

というように、何に重点を置くのかにより選ぶ業者は変わるのです

どの種類の内装工事会社に依頼するのかを決めたら気になる業者をピックアップしてください。

業者の選定は1~2週間程度みておきましょう。

内装工事業者を選ぶポイント

内装工事業者を選ぶ際には、内装工事を行う店舗の業種を得意としている業者に依頼するのがおすすめ。なぜなら、業者が得意としている業種の内装工事なら、専門性が高くノウハウを持っているからです。

内装工事業者のWEBサイトを確認すると、施工事例などが掲載されています。事例を確認すると、どんな業種の内装工事を行うことが多いのかがわかるため、参考にしてください。

中にはWEBサイトに事例があまり掲載されていなかったり、更新されていないこともありますが、その場合はメールなどで直接問い合わせをして施工実績を確認しましょう。

STEP2.打ち合わせ・現地調査

問い合わせをしたら、まず業者との打ち合わせがあります。

打ち合わせ前に、内装工事の予算・条件・要望をまとめた要望書を作成しておきましょう。要望書は、複数の業者に同じ条件で見積もりを出してもらうために必要です。

業者からヒアリングを受けて予算や要望を伝えたら、実際に内装工事を行う物件に足を運び、業者の現地調査に立ち合います。

問い合わせから、打ち合わせ・現地調査が完了するまで、2~3週間程度みておきましょう。

現地調査では何をするの?

現地調査は、現場で構造や設備の確認を行います。 物件や業種によって必要となる工事は異なるため、実際に現場を確認することで正確な見積もりやデザイン案を出してもらうことができるのです。

STEP3.設計プランの作成

ヒアリングの内容と現地調査に基づき、業者が設計プランを作成します。

プランニングの際には、以下のようなものが作成されます。

  • 概算見積書
  • レイアウトの図面
  • 完成イメージが描かれたパース
  • 工事の進行予定が記載されている工程表

これらの作成には時間を要するため、見積もりを含む設計プランの作成は1ヶ月程度かかると考えておくと安心です。

STEP4.見積もりの提示

設計プランが完成したら、業者から見積もりと共に提案をしてもらいます。デザインのイメージ・費用・使用素材など、納得いくまで質問や確認をしましょう。

見積もりやデザイン案を比較検討して、もっとも予算や希望に合う業者を選んでください。

2.店舗内装工事の見積もりを依頼する時の3つのポイント

内装工事の見積もりを依頼する場合、覚えておきたいポイントが3つあります。

  • 見積もり期間は十分な期間を設ける
  • 見積もりが有料になる場合がある
  • 相見積もりで業者を比較

どれも正確な見積もりを取ったり、正しく業者を選ぶために大切なポイントとなるので、1つずつ確認していきましょう。

2-1.見積もり期間は十分な期間を設ける

前述した通り、内装工事の見積もりを依頼してから提示されるまでには時間がかかります。早ければ1週間ほどですが、工事内容によっては1ヶ月程の時間を要することも。

なぜそのように時間がかかるのかというと、内装工事は以下のようにさまざまな工事が必要となるからです。

  • 壁・天井・床の仕上げ
  • 照明器具・ドア・キッチンなどの設置
  • 電気・ガス・水道などの設備工事

これらに必要な職人の人数を割り出したり、どの種類の材料をどれだけ使用するのかなども記載しなければならないため、時間が必要となるのです。

見積もりを短期間で仕上げるよう業者にお願いすることはできますが、その場合は十分な現地調査できなかったり、内装工事業者から各専門業者に依頼する見積もりが間に合わず、赤字にならないように高めの金額で見積もりをされる可能性があります。

そのようにして出された見積もりは正確とは言えず、費用が高額になってしまったり、他の業者と比較もできなくなってしまうため、正確な見積もりを出してもらうためにも見積もりは依頼から1ヶ月程の期間を設けるようにしましょう。

2-2.見積もりが有料になる場合がある

内装工事の見積もりを依頼した場合、無料で見積もりをしてもらえることが多いのですが、業者によっては有料となることがあります。さまざまなサービスにおいて「見積もり無料」というのが一般的なため、見積もりが有料といわれると「業者にだまされているのでは?」と感じてしまうかもしれませんが、そうではありません。

また、見積もりが有料になることもあると知らなければ、予定外の費用がかかってしまう可能性があります。

それでは、見積もりが有料になる場合と無料になる場合の違いについて見てみましょう。

2-2-1.見積もりが無料のパターン

無料で見積もりが依頼できる業者は、WEBから見積もりを依頼するサービスで多く見かけます。業者が手軽に比較できる一括見積もりサイトなら、無料で見積もりができるでしょう。

しかし、WEB上から無料見積もりを依頼する場合は文章で予算や要望を伝えるため、概算で見積もりが出されます。そのため、後から大きく金額が変動することもあるので注意が必要です。

2-2-2.見積もりが有料のパターン

見積もりが有料になるのはWEB上でやり取りをする簡易的な見積もりではなく、現場調査を行い、それを元に設計した図面が作成された場合です。図面の作成は専門の設計者が行うため、業務報酬が必要となることで有料となります。

つまり、図面の作成というサービス提供を受けたことに対する料金を支払っているということです。

見積もりが有料の場合、かかる費用は業者によって異なるため、見積もりを依頼する前に金額を確認をしておきましょう。

2-3.相見積もりで業者を比較

複数の業者から見積もりを取って比較することを「相見積もり」と言います。

前述した通り、見積もりを依頼する場合は3社程度の業者から相見積もりを取りましょう。1社に絞らず複数の業者から見積もりを取ることで、信用して任せられる業者を見つけることができるようになります。

ではなぜ相見積もりを取ることが、安心できる業者選びに繋がるのかについて説明していきます。

2-3-1.相見積もりを取ることで適正価格がわかる

相見積もりを取ることで、自分の店舗の内装工事費用はどの程度の金額が適正なのかがわかります。

同じ条件で見積もりを取ったとしても、A社は700万円・B社は600万円・C社は500万円といったように金額に差があることがわかるでしょう。その場合、相場は平均の600万円程度であると考えることができます。

さらに、見積もりの内容を確認して、他の見積もりにはない項目があったり、他の業者よりも工事の詳細が細かく記載されておらず不明点が多い見積書があることもあります。そのような疑問点を質問し解消していくことで、金額が妥当なものかの判断が可能です。

見積書の見方については「5.内装工事の見積もりが正しいかのチェックポイント」で詳しく説明していますので、参考にしてください。

2-3-2.安心して内装工事を任せられる業者を選べる

1社だけに見積もりを取るのでは、見積もり内容だけでなく業者の対応力などの比較もできません。相見積もりを取って複数の業者と打ち合わせをすることで、「この業者に任せたい」と感じる業者が出てくるでしょう。

まれに相見積もりを嫌がる業者もいますが、このような業者は他社と競うほど自社に自信がなかったり面倒に感じている可能性が高いため、そのような業者は避けるべきです。

相見積もりにも自信を持って誠心誠意対応してくれる業者を選びましょう。

3.店舗内装工事の見積もりに記載される項目一覧

見積もりにはさまざまな工事項目が記載されますが、どの項目がどんな工事なのかがわからなければ、内容の確認もできません。

そこで本章では、見積もりに記載されることが多い工事項目を説明していきます。

3-1.設計費・設計監理費

設計費はデザイン設計会社にデザインを依頼した場合に記載される項目です。

また、デザイン設計会社にデザインしてもらった場合は契約によって設計監理業務が行われます。

項目作業内容
設計費デザイン・設計の費用で、工事費の10~20%程度の金額が相場
現場監理費設計図通りに工事が進んでいるのかのチェック 図面では伝わりにくい内容の伝達 現場との打ち合わせや指示出し
諸経費駐車場代 など

3-2.仮設工事費

工事を行うための準備として行われる作業のことです。以下のような、工事後に全て撤去されるものが含まれています。

項目作業内容
養生資材や設備を搬入する際に、ビルの共用部やテナント内の仕上を保護するためのボードやシートの取付作業
墨出し設計士が作成した図面を基に、実際の床や壁や天井に実寸で線を書いていく作業
清掃・片付け毎日現場で発生する廃材やゴミの片付けなどの清掃作業
廃材処分現場で発生する資材や梱包材等のゴミを中間処理場まで運び処分する作業
仮設水道工事期間中の水道管の引き込みや、一時的に使用する水道
仮設電気工事期間中の電気の引き込みや、一時的に使用する電気
仮設トイレ工事期間中に工事関係者が現場で利用するトイレ
運搬費資材の運搬作業
諸経費駐車場代 など

3-3.解体工事費

居抜き物件の場合、以前入っていた店舗が内装を残していますが、必要のない内装を撤去する場合に解体工事が必要です。

例えば、間取りを変更するために部屋を仕切る間仕切り壁を無くしたい場合は、解体工事で撤去を行います。

項目内容
作業費解体作業にかかる費用
運搬費解体したものを運搬車に積み込み処分場まで運搬
処分費解体したものの処分にかかる費用
諸経費駐車場代・消耗品費 など

3-4.電気工事費

照明・スイッチ・コンセントの設置や電源配線などは電気工事に含まれます。

パソコンのLAN配線なども電気工事で同時に施工することが多いです。

項目内容
電力申請電力会社への電気引き込み申請
分電盤工事店舗内に送られる電気量を調整する分電盤の設置作業
電灯コンセント工事 材料費照明・スイッチ・コンセントの材料費
電灯コンセント工事 労務費照明・スイッチ・コンセントを設置する人件費
非常灯工事非常灯の設置作業
通信工事LAN配線工事
諸経費駐車場代・消耗品費 など

3-5.空調工事費

店舗にエアコンや室外機を設置する工事を空調工事と言います。

項目内容
エアコン機器費エアコン本体の費用
室内機設置エアコンの設置作業
室外機設置室外機の設置作業
配管工事エアコンと室内機を繋ぐ冷媒配管の工事
ドレントラップ設置汚臭が室内に侵入することを防ぐため、エアコンから排出されるドレン排水が通るドレン配管にU字のトラップ部分を設ける作業
真空引き作業冷媒配管内の水分・空気・窒素の除去 冷媒配管のからの冷媒漏れの有無の確認
諸経費駐車場代・消耗品費 など

3-6.給排気工事費

厨房や店内の換気扇設置や、それに伴う配管工事は給排気工事で行います。

項目内容
換気扇機器費換気扇本体の費用
換気扇設置換気扇の設置作業
外壁穴あけ換気扇の排気を外に排出するための外壁穴あけ作業
ダクト工事外壁にあけた穴と換気扇を繋ぐための配管工事
器具類取付工事外壁にあけた穴から雨が入り込まないようにするウェザーカバーの設置作業
諸経費駐車場代・消耗品費 など

3-7.ガス工事費

給湯器やコンロなどガスを使用する機器へのガス配管工事とガス設備費用です。

項目内容
給湯器給湯機本体の費用
基本工事費配管の材料費と設置費、ガスコック設置、機器への結び工事
付帯工事費外壁穴あけ など
諸経費駐車場代・消耗品費 など

3-8.水道工事費

水道工事は、トイレ・手洗い場・厨房機器などの設置工事と、給水・排水・給湯の配管工事です。

項目内容
便器・手洗い器便器や手洗い器の本体費用
便器・手洗い器 接続工事便器と手洗い器の水栓取付と結び工事
シンク用混合栓湯水が使える水栓の費用
排水管材工事材料費排水の配管工事に必要な材料費
排水管工事施工費各機器への配管工事
給水・給湯配管工事 材料費給水や給湯の配管工事に必要な材料費
給水・給湯配管工事 施工費各機器への配管工事
厨房機器接続工事シンク・製氷機の混合栓取付と結び工事
諸経費駐車場代・消耗品費 など

3-9.左官工事費

下地の上に水で練ったモルタルや壁土などを塗りつける工事です。飲食店の場合は厨房機器の配管を通すために、厨房の床を20~30cm程上げる必要があり、防水層の上にモルタルなどを使用して床を造るのも左官工事になります。

項目内容
モルタル打設モルタル層を造る工事
巾木モルタル仕上げ防水層からの立ち上がり部分をモスタルで仕上げる作業
スタイロフォーム敷き高密度の発泡体素材のスタイロフォームで床をかさ増しする作業
ワイヤーメッシュ敷きモルタルのひび割れを防止するワイヤーメッシュを敷く作業
運搬費砂やセメントなどの材料運搬費
諸経費車両費・駐車場代・消耗品費 など

3-10.木工事費

木材の加工・組立・取付を行う工事です。店舗の内装工事では、主に床の木組みやフローリング張り、木製の棚板やカウンターを造る作業です。

項目内容
置床防振ゴムのついた支持脚で床パネルを支えて、その上に化粧床を張る作業
フローリング材料費フローリング材の費用
フローリング張り手間フローリングを張る作業
運搬費置床やフローリングなどの運搬
諸経費車両費・駐車場代・消耗品費 など

3-11.軽鉄・ボード工事費

天井や壁の下地となる骨組みを軽量鉄骨下地(軽鉄・LGS)と呼び、棒状の軽い鉄を格子状に組んで固定します。

軽鉄を下地として天井や壁に貼るのが石膏ボードやプラスターボードで、軽鉄・ボード工事によって店舗内を仕切る間仕切り壁や天井が造られます。

項目内容
天井LGS軽鉄による下地骨組み作業
天井ボード張りボードを軽鉄に固定する作業
壁LGS軽鉄による下地骨組み作業
壁ボード張りボードを軽鉄に固定する作業
付帯作業補強ベニヤ・点検口設置 など
運搬費軽鉄やボードの運搬費
諸経費車両費・駐車場代・消耗品費 など

3-12.塗装工事費

ボードや木材などを塗装する工事です。ボードの塗装は張り合わされたボードの継ぎ目を隠し、その上から塗装をします。

項目内容
ボード塗装ボードの継ぎ目に繊維状のテープを貼ってパテ処理を行い、その上から塗装する作業
木部塗装棚などの木材を塗装する作業
諸経費駐車場代・消耗品費 など

3-13.板金工事費

厨房の壁に薄く平らな金属(板金)を貼る工事です。厨房の壁は板金仕上げをしなければならない決まりがあるため、飲食店の場合は必ず必要となります。

項目内容
ステンレス張りステンレスの板金を石膏ボードに張り付ける作業
ガルバリウム鋼板張りガルバリウム鋼板の板金を石膏ボードに張り付ける作業
諸経費駐車場代・消耗品費 など

3-14.建具工事費

店舗の入り口やトイレなどの扉を設置する工事を建具工事と言います。

項目内容
建具枠設置軽鉄・ボード工事で造られた壁に建具枠を設置する作業
木製フラッシュ丁番・ノブ・レバー・鍵の掘り込みを行い、枠に取り付ける作業
木製かまち組み丁番・ノブ・レバー・鍵の掘り込みを行い、枠に取り付ける作業
アルミサッシ扉アルミ製のかまち組みのドアを枠に取り付ける作業
鋼製建具鉄で作られたドアを枠に取り付ける作業
諸経費駐車場代・消耗品費 など

3-15.家具工事費

テーブル・イス・ソファなど、家具工場で制作された家具を搬入・設置する工事です。設置時に家具の収まりも調整します。

3-16.防災工事費

誘導灯・消火器・感知器の設置工事です。消防署への申請も防災工事に含まれています。

項目内容
誘導灯避難口の誘導灯器具費と設置
消火器消火器の本体代と設置
工事費・試験調整費配線・設置・建物に設置された火災受信機との通信確認
消防申請申請書類作成・消防署への提出・消防検査立ち合い
諸経費駐車場代・消耗品費 など

4.店舗内装工事の見積もり比較例

2-3.相見積もりで業者を比較」で相見積もりの重要性について説明しましたが、実際に相見積もりをした場合の金額差を見てみましょう。

以下2つのケースは、同じ店舗の見積もりをそれぞれ3社から取っています。

詳細な項目は省いていますが、業者ごとの金額差がどれだけのものになるのかを説明していきます。

CASE1.29坪の店舗工事の場合

以下3つの見積もりは、29坪の同じ店舗の内装工事の見積もりです。

<各社税込み価格>

  • A社…10,638,000円
  • B社…12,420,000円
  • C社…15,120,000円

最低額と最高額では税込み価格で約450万円もの差があり、C社はA社に比べて40%以上高額であることがわかります。

CASE2.19坪の店舗工事の場合

以下3つの見積もりは、19坪の同じ店舗の内装工事の見積もりです。

<各社税込み価格>

  • A社…7,560,000円
  • B社…10,800,000円
  • C社…10,000,000円

B社C社はどちらも税込み1080万円で見積もりが出されていますが、A社だけは756万円となっており、差額は300万円以上です。B社とC社はA社に比べて30%以上高額であることがわかります。

このように、相見積もりを取らなければ、工事内容はあまり変わらない業者に高額で工事を頼んでしまう可能性があります。

もちろん、安い業者がいい業者とは限らないため金額だけでの判断は危険ですが、工事金額は業者を選ぶための重要なポイントとなるため、相見積もりは必ずするようにしましょう。

5.店舗内装工事の見積もりが正しいか見極めるチェックポイント

内装工事の見積もりを出してもらったら、内容に抜け漏れがないか、余計な項目がないかをチェックしなければなりません。しかし、見積もりの書き方は業者によって異なるため、どこチェックすべきなのかは難しい問題です。

そこで、どのようなところに注目して見積もりの確認をすべきか、3つのポイントについて説明していきます。

5-1.価格の根拠を知るために「一式」と書かれている項目の内容をチェック

見積もりの数量などの欄に「一式」と記載されている場合は注意しましょう。

見積もり金額は、床材であれば何の素材を使ってどの程度の範囲に敷くのかなど、価格の根拠がはっきりしていなければなりません。

使用する材料などの量や範囲などが記されていなければならない箇所に「一式」と書かれているということは、根拠のない見積もりになっている可能性があるため、「一式」とされている項目には何が含まれているのか、業者に説明してもらう必要があります。

見積もりを詳細に記載してくれている業者は安心して任せられる業者であることがほとんどです。しかし、すべての工事項目に対して「一式」を使用している業者も多くあります。

そのような場合は、一式に含まれているものを備考欄に記載してもらうなどした方がいいでしょう。

5-2.「別途」とされている項目がないかチェック

見積もりに「別途」と書かれた項目がないかを確認しましょう。別途とされているということは、見積もり金額に含まれていないということです

特に、設備関係は別途とされていることが多いため注意しましょう。後から思わぬ請求をされる可能性があるため、別途項目があった場合はなぜ別途とされているのか、伝えた予算内に抑えることができるのかを確認をしてください。

5-3.疑問や不明点は業者に質問する

前述した見積もり比較を見るとよくわかりますが、同じ条件の内装工事でも業者によって見積もり金額はバラバラです。これは内装工事業界での価格や相場が曖昧であることから起こることです。

その価格の曖昧さを利用して、工事に対しての知識がない人からお金を取れるだけ取ろうとする業者もまれに存在します。

そのような業者にだまされないためにも、見積もりを確認して少しでも疑問や不明に感じた点は、業者に納得できるまで質問をしましょう。曖昧な答えを返してくるような業者の場合は、余分な費用が発生したりトラブルに繋がりませんので、どんな質問にも明確に答えてくれる業者を選んでください

6.店舗内装工事の見積もり金額を下げたい場合の2つの対処法

見積もりを提示されてから「もう少し金額を下げたい」と感じる場合には以下の対処法が有効です。

  • 「5%値引き」を目標に価格交渉をする
  • 使用する内装材のランクを下げる

これらの対処法について説明していきます。

6-1.「5%値引き」を目標に価格交渉をする

価格交渉で重要なのは、目標の値引き額を決めておくことです。ただ「もう少し安くなりませんか?」というよりも「〇%値引きできませんか?」という方が、業者も判断しやすくなるためです。

例えばあなたがフリーマーケットで1,000円の品物を売っていたとします。その品物に対して「もっと安くしてください!」と言われた場合と、「950円なら買いたいのですが、50円値引きは可能ですか?」と言われた場合、後者の人の方が売りやすいと思うのではないでしょうか。

値引き金額の目標は5%程度がおすすめです。500万円の見積もりだった場合は25万円の値引き交渉となります。

消費税分を値下げできないかというところから交渉を始め、5%程度まで値引き幅を下げてみましょう。

価格交渉のタイミングに注意!

価格交渉は必ず契約前に行いましょう。 契約が完了しているということは「見積もりに納得して契約した」ということになるので、価格交渉は難しくなってしまいます。

6-2.使用する内装材のランクを下げる

床材など、店舗内で多く使用する内装材のランクを下げることで、大きく費用を下げることができます。

以下は東リの総合カタログから抜粋した床材の商品価格です。

商品名品種価格(㎡)
①ルースレイタイル LLフリー50NW-EX・ルミナス置敷きビニル床タイル FOA9,500円
②ロイヤルウッド複層ビニル床タイル FT5,300円
③CFシート-Hクッションフロア KS2,750円

10坪(約33㎡)の店内にそれぞれの床材を使用した場合、

①313,500円

②174,900円

③90,750円

このような金額となり、①と③では22万円以上の金額差が出ます。

もちろん、張る場所によって適した床材は異なりますが、自分で店舗に合いそうなものを調べたり、業者に相談しながら安く見えずに価格を抑えられる内装材を選んでみましょう。

7.まとめ

内装工事は見積もりを取るまでに以下のような工程があります。

  1. 内装工事業者の選定
  2. 打ち合わせ・現地調査
  3. 設計プランの作成
  4. 見積もりの提示

施工自体は1~2ヶ月で完了するのに対し、内装工事業者の選定から見積もりが提示されるまで2ヶ月以上かかるため、工事前の方が時間がかかります。

内装工事の見積もりを依頼する際のポイントは以下の3つ。

  • 見積もり期間は十分な期間を設ける
  • 見積もりが有料になる場合がある
  • 相見積もりで業者を比較

これらを知っておくことで、十分な見積もり期間を設けることや相見積もりの重要性がわかります。

見積もりが出された後のチェックポイントは以下の3つ。

  • 価格の根拠を知るために「一式」と書かれている項目の内容を確認
  • 「別途」とされている項目がないか確認
  • 疑問や不明点は業者に質問する

一式や別途とされている項目や、疑問・質問にしっかりと答えてくれる業者を選びましょう。