私たちについて
OUR STORY
私たちについて
永く続くお店は、内装の前に決めていることがある。
そう考えるようになった、
ある一軒のお店の話から始めます。
CHAPTER 01
ほかにはないお店が、できたと思っていました。
まだ私が、デザイン事務所で働いていたころの話です。
一等地に、オーナーの個性を全面に出したラーメン店を手がけました。オーナーの人柄と、それを引き立てるデザインが調和した内装です。費用もかけました。
仕上がりはきれいで、オーナーにも喜んでもらえました。ほかにはないお店ができた。私は、そう感じていました。
けれど、2年経たないうちに、
そのお店は撤退し、
別のお店に変わっていました。
CHAPTER 02
私たちは、オーナーの側にしか立っていませんでした。
長く考えた末に、ひとつの結論にたどり着きました。
オーナーがやりたいことに、
お客様が価値を感じるとは限らない。
当たり前に思えるかもしれません。けれど、ものをつくる立場にいると、この事実を見落としがちです。
オーナーの想いが強いほど、それを形にすることが正しいと思えてしまう。想いが強いことと、それがお客様に伝わることは、別の話なのに。
これは、オーナーご本人にもよく起こることです。毎日お店のことばかり考えてきた人ほど、はじめてお店の前に立つお客様の目で見ることが、だんだん難しくなっていきます。自分のお店のことほど、客観的に見るのは難しいものです。
CHAPTER 03
やりたいを、行きたいに。
それ以来、図面を描く前に必ず「このお店は、誰に、なぜ選ばれるのか」から考えるようになりました。
どんなにかっこいいスポーツカーでも、エンジンがなければ走りません。逆に、すごいエンジンを積んでいても、見た目に魅力がなければ、誰も「乗ってみたい」とは思いません。中身と外側がそろって初めて、人が欲しがる車になります。
お店も同じです。オーナーの技術や商品がエンジンなら、空間はボディ。私たちは、良いエンジンがあることを前提に、その力がお客様に正しく伝わるボディをつくっています。
- 01
言語化
なぜこのお店をやりたいのか、誰に何を届けるのかを、オーナー自身の言葉にします。
- 02
導線
お客様の体験は、来店する前から始まっています。お店の情報に初めて触れたときから期待が高まり、来店してその期待を裏切らない。そこまでを一つの流れとして設計します。
- 03
開業までの伴走
融資のための資料づくりや物件選びなど、内装の外側にあることも一緒に進めます。
CHAPTER 04
図面を描く前に、必ずやること。
①オーナーが実現したいことと、②お客様がそこで得られるもの。この2つを結び合わせてから、プランを描きます。
プランは毎回、目的の違う3つを用意します。コストを最適にする案、事業の広がりに備える案、今の事業で最善の案。私たちはこれを「プラン検証」と呼んでいます。
好きな案を選んでいただくのではありません。それぞれの長所と短所をお伝えしたうえで、「やりたいことにお客様が価値を感じ、家族や友人に話したくなるお店になるのはどれか」を一緒に協議します。たいていは、3つのどれよりも良い1案にたどり着きます。
CHAPTER 05
8.4坪の美容室の話。
8.4坪、セット面2席の、小さな美容室です。
オーナーの手元には、すでに別の業者が作ったプランがありました。配管が短く済む位置にシャンプー台を置き、そこから逆算して壁の位置が決まっている、設備の位置を優先したプランです。工事のことだけを考えれば、合理的で費用も抑えられます。
ただ、入口の近くまで壁が迫っていました。図面上の席数は同じでも、ドアを開けた人が感じる広さが違ったのです。
私たちは、目的の違う3つのプランを描き、それぞれの長所と短所をお伝えしました。



選ばれたのは、今の事業で最善のプランでした。打ち合わせの中で、「まず1席で開けて、様子を見ながら2席に増やす」という進め方も決まりました。
かけるべき場所にお金をかけ、それ以外は抑える。均等には配らない。
このお店はいま、近隣より高い料金設定で営業しています。席数は変わっていません。変わったのは、プランの考え方だけです。
CHAPTER 06
その結果、起きていること。
開業を控えたオーナーからは、相反する2つの想いを抱えたご相談をよくいただきます。どちらかをあきらめる必要はありません。両立させる方法は、空間の中にあります。
よくいただくご相談
「気軽に入れるお店にしたい。
でも、安く見られたくない」入りやすい雰囲気は大切です。でも「気軽さ」が勝ちすぎると、料理のこだわりまで軽く見られ、単価への納得感が薄れます。メインの仕上げ材、照明の使い方、カウンターの質感、厨房の見せ方によって、
「気軽に入れるけれど、料理には本気のお店」として伝えます。
よくいただくご相談
「アットホームなお店にしたい。
でも、カジュアルにはしたくない」お客様一人ひとりの単価が、周りのお店より高い美容室ほど、よく聞く言葉です。また来たいと思ってもらえる親しみやすさは大切です。でも、くだけすぎるとカジュアルに見え、技術や価格への納得感まで薄れてしまいます。視線の通り方、動線、席まわりの余白、照明、細部の仕上げによって、
「話しやすいけれど、カジュアルとは違う上質な空間」として伝えます。
よくいただくご相談
「お客様と気軽に話せるお店にしたい。
でも、初めての人にも入りやすくしたい」フレンドリーな会話は魅力です。でもそれだけでは「常連の人たちがいつも話しているお店」に見え、初めての人は入りづらくなります。会話の舞台を入り口に置かないレイアウトにしながら、外からはカウンターにある焙煎機や抽出器具の見せ方を設計することで、
「オーナーの人柄と、確かな専門性があるお店」として伝えます。
来店したお客様から786件の口コミが寄せられ、評価の平均は星4.8です。
※2023〜2025年に開業をお手伝いしたお店のうち、口コミ20件以上の8店舗の合計。Googleマップ・ホットペッパービューティー、2026年10月時点。
この評価は、オーナーの皆さんの技術とサービスの力です。私たちは、その力がお客様に正しく伝わるよう、図面を描く前に「誰に、なぜ選ばれるのか」を一緒に考えてきました。
オープン直後に爆発的に話題になるお店ではありません。時間とともに通ってくださる方が増え、口コミが次のお客様を連れてくるお店です。
「私たちのことだけでなく、お店に来るお客様のことまでじっくり考えて作ってくださった」
― オーナー様の声
いちばん力になれる方
- やりたいことはある。でも、それだけでうまくいくのか不安な方
- 他のお店と違うからこそ、埋もれてしまわないか心配な方
- 開業後10年続くことを大切にしたい方
向いていないかもしれない方
- オープン時の話題性をいちばんに考えている方
- 内装のイメージがすでに完全に決まっている方
- デザインは必要ないと考えている方
- 価格の安さで勝負するお店をつくりたい方
CHAPTER 07
お店をつくること自体が、ゴールではありません。
株式会社Lovation 代表
山田 真吾
飲食店専門のデザイン事務所「TYデザイン」、国内外で幅広くインテリアデザインを手がける設計事務所「株式会社西脇一郎デザイン事務所」で経験を積み、2016年にLovationを創業。2017年に株式会社Lovationとして法人化。美容室・飲食店・カフェを中心に、200店舗以上の開業に関わる。
目指しているのは、オーナー一人ひとりのこだわりが詰まったお店が、多くの方に永く利用され、次の世代に引き継がれても続いていくこと。オーナーのやりたいことが何十年先まで残り続けるお店をつくるために、図面を描く前に「誰に、なぜ選ばれるのか」をオーナーと一緒に考えている。
やりたいを、行きたいに。
あなたのやりたいことは、間違っていません。
大切なのは、そのやりたいことが、お客様の「行ってみたい」「また行きたい」という想いと結びついているか。
図面を描く前にそれを考えて仮説を立て、その仮説から逸れていないかを確かめながら、お店をデザインしていくことです。