10坪店舗デザインを考える前に確認しておきたい5つのこととは?
10坪程度の広さの店舗デザインをイメージする人も多いのではないでしょうか。
小さなお店のデザイン例として、10坪店舗がよく紹介されていますよね。けれども、10坪の広さは「小さなお店を出店したい人」にとって、必ずしもちょうどいい広さというわけではありません。
10坪店舗デザインを考える前に、以下の5点を確認してみましょう。
- 10坪の広さでどんなお店ができるの?
- 10坪以上のお店よりも費用を抑えられる?
- 10坪店舗は、どんな人に向いてるの?
- 10坪店舗は、イメージしている”小さなお店”をカタチにするのにちょうどよい広さ?
- 10坪の店舗を開くメリットは?
本記事では、上記5つの点について詳しく説明します。
記事を最後まで読むことで、10坪店舗は自分に向いているかどうかが分かるようになるでしょう。
狭小店舗デザインのポイントを知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
成功する小さなお店の作り方とは?狭小店舗デザインのプロがポイントをご紹介
目次
10坪の広さでどんなお店ができるの?
10坪の広さをイメージしやすいように、畳にたとえてみますね。
1坪(約3.3㎡)は、だいたい畳2枚ほど。つまり、10坪は約20畳の広さです。
「ああ、それくらいの広さなんだ」ということが、前よりもイメージできたのではないでしょうか。
大体の広さを把握したところで、10坪店舗のレイアウトについて考えてみましょう。
飲食店の場合、最低限必要なのは
- キッチン
- 客席スペース
- 通路
- 収納スペース
- トイレ
です。
これらを図面で表現すると、以下のようになります(カフェ:9.36坪)。
10坪のお店は必ず上図のようにレイアウトする必要がある、というわけではありません。しかし、家具を含めた大体のイメージは掴めたのではないでしょうか。
店舗のレイアウトの中でも、メインとなるキッチンと客席スペースについて、もう少し詳しく見てみましょう。
キッチン
キッチンは、飲食店の種類やデザインによって異なります。しかし、全体の20~30%の広さが適当といわれています。例えば、キッチンが全体の20%の広さだとしたら、10坪店舗におけるキッチンの広さは、約4畳です。
キッチンには、調理に必要な厨房機器を設置します。冷蔵庫やシンク、調理台など必要最低限のものを設置するだけでも場所を取ります。
上図のように、カウンターの下に厨房機器を設置するなど限られたスペースを有効活用することで、導線を確保しやすくなりますよ。
客席スペース
10坪店舗デザインは、基本的には上図のようにカウンターでキッチンと客席スペースを区切ります。
といいましても、テーブルと椅子を配置することも、もちろん可能です。上図ではカウンターとベンチしかありません。その為、テーブルや椅子を配置した場合はどうなるのかイメージしにくいですよね。
客席は、1坪あたり1.5~2席を目安に設置するのが無難といわれています。例えば、4坪の客席スペースに1坪あたり1.5席設置する場合、合計の客席数は6席です(例:2人掛けのテーブル×3セット)。
10坪以上のお店よりも費用を抑えられる?
多くの人は、内装工事費用の相場は、坪単価(1坪あたりいくら)で計算する傾向にあります。
それでは、10坪店舗の内装にかかる費用は大きな店舗よりも安く済むのかというと、そうとは言い切れません。
10坪店舗の内装費用は、坪単価で把握できるほど単純ではないからです。
例えば、「1坪あたり30万円が相場」という場合。10坪の内装工事にかかる費用を坪単価で計算すると、30万円×10坪=300万円と算出されます。
この結果から多くの人は、「10坪店舗の工事費用は300万円か」と、納得するでしょう。
けれども、実際には坪単価から割り出した数字よりもずっと工費がかかってしまった、というケースは珍しくないのです。
これは経験則ですが、10坪程度の小さい店舗の工事では、
- 店舗の面積にかかわらず、最低限のコストがかかる
- 狭いスペースでは作業できる職人の数は限られるためタイミングをずらして作業しなければならない
- 具体的な図面がない段階では概算となり現実とのギャップが出やすい
という理由から、必ずといってよいほど坪単価割れが起きます。そのため、依頼主は狭いわりにお金がかかったと感じやすいのです。
このように、坪単価という観点から考えると、10坪店舗の内装工事にかかる費用は、決して安くはありません。「10坪店舗の内装工事は、20坪店舗の半分の費用で済むわけではない」ということを忘れないようにしましょう。
10坪店舗はどんな人に向いてるの?
10坪店舗を選ぶかどうかは、「コストがかかる/かからない」で決めるよりも、「従業員を雇うかワンオペか」を基準に考えるとよいでしょう。
10坪店舗が向いているのは、ワンオペで切り盛りできる規模のお店を出店したい人。
従業員の数は10席あたり1人が目安です。客席数が4~10席程度の10坪店舗は、ワンオペ
でできる、ちょうどよい広さなのです。
もし、スタッフを雇ったお店を考えているのなら、10坪以上の物件も視野に入れた方がよいでしょう。
ワンオペのメリットとデメリットを以下にまとめました。ワンオペにしようかどうか迷っているという場合は、参考にしてください。
ワンオペのメリット
- 人件費がかからない
- 従業員を教育する時間を短縮できる
- 人間関係で頭を悩ます必要がない
- ルールや休みなど自分で自由に決められる
- 1人で経営する分事業計画を立てやすい
ワンオペのデメリット
- 全てを1人でやらなくてはならないので自身に負担がかかりやすい
- 病気でダウンした場合は休業しなければならない
- 交代制のように朝から晩まで働くことが難しく営業時間が限られる
10坪店舗は、イメージしている”小さなお店”をカタチにするのにちょうどよい広さ?
10坪店舗のレイアウトや特徴をお伝えしてきましたが、「思ったより狭いかもしれない」と感じた人もいらっしゃるのではないでしょうか。
ワンオペでやりたいと考えているけれど、もしかしたらイメージとは程遠い店舗デザインになるかもしれないという場合は、特に不安になりますよね。
業種ごとに参考レイアウトをご紹介します。イメージしているお店を作れるかどうか判断する際の参考にしてください。
①理容室
②美容室
③物販店
①と②は、シャンプー台(1台)とヘアカット台(2台)に加えて、
- 受付
- スタッフ専用スペース
- トイレ
- 収納スペース
が無理なくレイアウトされています。
この程度の客席数であれば、ワンオペでも無理なく接客でき、スムーズに動けるのではないでしょうか。
③の物販店は、10坪よりも狭いスペースです。しかし、飾り棚を設置しても導線を十分に確保できます。商品管理や接客など1人で切り盛りするのにちょうどよい広さでしょう。
10坪店舗はワンオペにちょうどよい広さということが分かりました。しかし、気になるのは「イメージするデザインになるのか」ということですよね。
狭すぎて、おしゃれなデザインは難しいかも、と心配になるかもしれませんが、10坪程度の広さでもおしゃれなお店をデザインすることは十分可能です。
弊社が手がけた、②の美容室の外装と内装を写真でご紹介しますね。
いかがでしょうか?
全体的に圧迫感を感じず、美容室らしいスタイリッシュな雰囲気が伝わるかと思います。
10坪の店舗を開くメリットは?
10坪程度の店舗は、客席をたくさん設けることができません。
そのため、お客さんが来たとしても「利益につなげられるだろうか」という疑問が出てくるかもしれませんね。
結論から言いますと、10坪の店舗は、薄利多売ではなく客単価で勝負できます。
なぜなら、狭いお店はパーソナル・ブランド(オーナー自身がブランドであること)が作りやすいという特徴があるからです。
パーソナル・ブランドは、特定のお客さんを惹きつける点に魅力があります。
来てほしいお客さんに焦点を絞ってお店を作ることが、パーソナル・ブランディングのコツです。
お店のファンになってくれたお客さんは、多少不便なところにお店があったとしても、また価格が他店より少々高くても、リピートしてくれます。小さなお店は、そうした価値あるお店を作りやすいのです。
パーソナル・ブランディングが確立された小さなお店は、唯一無二の存在となり、それだけで価値があります。
この点だけでも、小さなお店を開くメリットとしては十分ではないでしょうか。
まとめ
10坪店舗デザインを考える前に、確認しておきたいことについて説明しました。
確認すべきことは、以下の5つです。
- 10坪の広さでどんなお店ができるの?
- 10坪以上のお店よりも費用を抑えられる?
- 10坪店舗は、どんな人に向いてるの?
- 10坪店舗は、イメージしている”小さなお店”をカタチにするのにちょうどよい広さ?
- 10坪の店舗を開くメリットは?
- 10坪店舗には、
- ワンオペで接客するのにちょうどよい広さ
- 坪単価は高め
- パーソナル・ブランドを構築しやすい
という特徴があります。
自分のイメージしているお店は、10坪店舗の特徴とマッチするかどうかについて、ここでもう一度確認しましょう。そのうえで、10坪店舗のデザインを考えていきます。
店舗デザインは、デザイン設計会社に相談しながら進めていくと思いますが、10坪店舗のデザインに実績のあるところがおすすめです。
限られた空間をデザインする経験とスキルから、イメージに近いものを提案してくれることが期待できます。
弊社では、10坪程度の小さな店舗デザインに関する豆知識をメルマガにて配信しています。
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