狭い飲食店はレイアウトが重要!失敗しないコツ
狭い飲食店のレイアウトを考えているあなた。予算や立地などの関係で、「狭い店舗の物件しか選択肢がない! 」とお悩みではありませんか?
狭い飲食店というと、「狭くて居心地が悪そう」「不便な点が多くお客さんが入らなそう」というふうに、ネガティブなことをイメージするかもしれません。
けれども、狭くても繁盛している飲食店はあります。その為、一概に悪いとは言い切れません。
重要なのは、狭い空間をどう設計するか。狭い飲食店を成功させるには、レイアウトを工夫することがポイントです。
本記事では、狭い飲食店とは何かを定義するとともに、これから狭い飲食店の出店を検討している人向けに、
- 理想的な狭い飲食店のレイアウトの特徴
- 戦略的にレイアウトするコツ
- レイアウトを考えるときの注意点
- レイアウトに関する相談先の選び方
についてご紹介します。
目次
01.狭い飲食店とはどんなお店?
ここでいう「狭い飲食店」とは、狭小物件のお店ということです。
狭小物件には、明確な定義はありません。
けれども、(経験則を前提として)弊社では15坪以下の広さで、かつ「狭い」と感じる箇所(例えば、「入り口が細長い」「天井が低い」など)がある物件を、狭小店舗と定義しています。
狭小物件には狭くて小さいという特徴から、条件の良い物件よりも安価で借りられる傾向にあります。
しかしその反面、「狭くて小さい」という点が強調されてしまうような内装にしてしまうと、
- 圧迫感を感じる
- 窮屈で居心地が悪い
- 移動しにくい
といった不快感や不便さをお客さんやスタッフに与えてしまうでしょう。
それを避けるために必要なのが、「狭い飲食店のレイアウト」という考え方です。
02.理想的な狭い飲食店のレイアウト2つの特徴
理想的な狭い飲食店のレイアウトの特徴は、以下の2点に絞られます。
・強みやこだわりが伝わるレイアウト
・サービスにつながるレイアウト
1つずつ詳しく見てみましょう。
02-1.特徴①:強みやこだわりが伝わるレイアウト
狭い飲食店の魅力は、オーナーの個性に出会えるという点です。お客さんに「もう一度訪れたい」と思ってもらうには、オーナーの考え方や価値観をお店に反映させる必要があります。
ラッキーなことに、狭い飲食店は、お店の強みやこだわりを伝えやすいというメリットを持っています。
狭くて小さいという限られたスペースには、余計なものや無駄なものをレイアウトする余裕はありません。そうすると、必然的に本当に必要なものだけを取り入れるシンプルなものになります。
シンプルなレイアウトにするには、
・利用してほしいお客さんを明確にする
・製品の性能や価格以外で価値を感じてもらうための戦略を練る
の2点に集中することがポイントです。
ここがぶれてしまうと、あれこれ詰め込んだレイアウトになるおそれがありますので、注意しましょう。
02-2.特徴②:サービスにつながるレイアウト
どのお店も究極の目的は、「売上をあげること」ではないでしょうか。
そのためには、お客さんが満足するサービスを提供する必要があります。それを促すのがレイアウトの役割です。
例えば、漫画好きのお客さんが満足するサービスを提供しようと考えた場合。お客さんが1人でカフェを満喫できるようなカウンターやテーブルを配置したり、漫画本のある本棚までアクセスしやすいような導線を設計したりすることが、サービスにつながるレイアウトの考え方です。
サービスにつながるレイアウトは、理想とするお客さんのイメージにもよりますが、機能性にウェイトを置いて設計してもよいでしょう。
例えば、狭いスペースで効率よく売上をあげることを考えた場合、無理にテーブルと椅子を入れずに
・カンターのみ設置する
・スタンド形式にする
のどちらかのレイアウトにします。
このように、狭い飲食店ではイートインのスペースを設けずに、テイクアウトのみのサービスを提供するレイアウトもありです。
03.実際に狭い飲食店をレイアウトする際は戦略的に考える
レイアウトの目的は、飲食店が目指すゴールを達成すること。つまり、ゴール達成の手段としてレイアウトを考えることが大切です。
ここでもう一度、レイアウトが果たす役割を明確にしてみましょう。
- お客さんに居心地の良さを提供する
- お客さんにできるだけサービスを利用してもらうよう誘導する
- お店のこだわりをお客さんに伝える
これらの役割を念頭に置きながら、戦略的なレイアウトについて考えます。
考え方のコツを以下にご紹介しますので、参考にしてくださいね。
03-1.戦略的なレイアウトのコツ①:適度な客席スペースを確保する
お客さんに居心地の良さを提供するには、適度な広さの客席スペースを確保することと、客席のレイアウトに配慮することが不可欠です。
狭いスペースは圧迫感が生まれやすく、不快に感じる人もいます。
かといって客席スペースを無理やり広げてしまうとキッチンや通路が狭くなり、作業効率が落ちるおそれがあります。
客席スペースは、キッチンとのバランスを考えて決めましょう。
キッチンと客席スペースの適切な比率は、飲食店の業態によって異なりますが、カフェの場合は、「キッチン:客席スペース=2:8」が目安といわれています。
03-2.戦略的なレイアウトのコツ②:導線を考慮に入れてレイアウトを考える
お客さんが居心地の良さを感じるレイアウトにしても、そこに動線がなければ、快適さも半減してしまいます。レイアウトを考える際は、お客さんがスムーズに店内を移動できるよう導線を設計しましょう。
デッドスペースを極力減らし、入り口からお店の奥にある客席までスムーズに移動できる導線が理想です。
また、カウンターに座っているお客さんの後ろを、他のお客さんまたはスタッフが移動することを想定した動線の確保も忘れないようにしましょう(人が1人通るには60cmほどのスペースが必要)。
03-3.戦略的なレイアウトのコツ③:お店の強みをレイアウトで表現する
こだわりが伝わるレイアウトは、とても抽象的な表現なうえ、これという答えがありません。
なぜなら、「こだわり」はオーナーによって異なるからです。
そうすると、どうやって戦略的にレイアウトを設計したらよいかということです。しかし、要は「お客さんを満足させることを考えながら設計する」ことがポイントです。
例えば、漫画好きのお客さんをターゲットとしたカフェなら、「漫画好きが集まるカフェ」としてのこだわりが伝わるようなレイアウトを設計します。
そうすると、例えば
- お客さんがくつろいで漫画本を読むために、どのようにカウンターを配置すべきか
- 漫画本を手にしやすいように本棚はどう設置するか
といった点が、レイアウト設計のポイントとなるでしょう。
このように、「自分の店のこだわりは何か」を1つ打ち出すと、そこからどのようなレイアウトにしていけばよいか、具体的に考えられるようになります。
04.狭い飲食店のレイアウトを考える際の注意点
狭い飲食店のレイアウトでは、
- 無理に広く見せようとしない
- 狭い空間に要素を詰めすぎない
の2点に注意しましょう。
04-1.注意点①:無理に広く見せようとしない
確かに狭い空間は、息苦しさや圧迫感を与える傾向にあります。
だからといって無理に広く見せようとすると、間取りのバランスが崩れて、本末転倒です。
店内の空間を広く見せることも大切ですが、壁の色や照明を変えて広さ演出するなど、無理なくできることから始めてみましょう。
そのうえで、他にできることはないかを考えます。その際、広く見せることが目的そのものにならないように、注意しながらレイアウトを考えることはいうまでもありません。
04-2.注意点②:狭い空間にあれこれ詰め込まない
狭い飲食店の場合、店内のレイアウトがシンプルであればあるほど、伝えたいメッセージがお客さんに届きやすくなります。言い換えると、レイアウトにあれこれと要素を入れてしまうと、狭さが余計に強調されるとともに、お店のこだわりが伝わりにくくなります。
レイアウトの前に、少なくとも
- 来てほしいお客さんのイメージ
- 伝えたいメッセージ
の2点を明確にしましょう。
そして、これらを軸に、レイアウトに取り入れたい要素を一つひとつ吟味し、レイアウトに入れるべきかどうかを判断します。
05.レイアウトがまとまったら専門家に相談しよう
店内のレイアウトについてある程度考えがまとまったら、デザイン設計会社に相談します。
その際注意するのは、、狭小店舗デザインの実績がある会社を選ぶということです。
狭小店舗には、狭くて小さいという物件の特徴から、特有の設計方法や課題があります。
弊社では、これまで170件以上の狭小店舗や小規模店舗のデザインを手がけてきました。狭くて小さいといっても、さまざまな形状があります。そこにオーナーの価値観やお店のコンセプトを溶け込ませていくわけです。ですから、全く同じというケースは1件もありませんでした。
デザイン設計会社の多くは、自社のホームページで施工事例を紹介しています。
それらを参考に、相談先を選ぶようにしましょう。
06.まとめ
狭い飲食店のレイアウトを成功させるコツについて、解説しました。
狭い飲食店のレイアウトは、シンプルかつお店のこだわりが伝わるものが理想です。そうしたレイアウトは、戦略的に考えて設計することで具現化できるでしょう。
本記事では、レイアウトを考えるコツをテーマとしています。その為、戦略的なレイアウトの考え方をお伝えすることに重点を起きました。もしかしたら、「レイアウトの決め方について、もっと具体的に知りたい」と思われたかもしれません。
レイアウトのやり方も含めた狭い飲食店向けの情報について、本ブログでは伝えきれないことがたくさんあります。そこで、もっと情報を得たいという方向けに、弊社ではメルマガを配信して情報を提供しています。
メルマガの購読料は無料です。その為、この機会に登録して知識を深めていただけたらと思います。
メルマガの購読は下記フォームよりお申し込みください。
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。