カフェ内装をシンプルなデザインにする
「シンプルな内装なのにとてもおしゃれなカフェが理想」と、イメージを頭に思い描いているオーナーさんも多いのではないでしょうか。
余計な飾りがなく、すっきりとした空間にただようコーヒーの香り。シンプルな内装のカフェは、どこか人の心を惹きつけますよね。
けれども、
- 「頭の中ではイメージできるけれど、紙に描こうとするとうまくいかない」
- 「あれもこれもとデザインに取り入れてしまい、結局ゴテゴテした内装になってしまう」
- 「考えれば考えるほど何がシンプルなのかが分からなくなってしまう」
など、悩みはどんどん出てくるかもしれません。
シンプルな内装のカフェは、「いかに余計なものを省いておしゃれな内装に仕上げるか」を追求しながらデザインすることが大切です。
そこで本記事では、多種多彩な店舗デザインを手がけた経験を基に、シンプルな内装のカフェを開きたい人に、以下の点について解説します。
- シンプルな内装のカフェとは
- シンプルな内装のカフェとコンセプト
- デザイン性とシンプルさのバランスのとり方
- シンプルな内装のデザインを業者に依頼する際の注意点
記事を読むことで、『安っぽい内装になってしまった』という失敗を避けたデザインのコツが分かるでしょう。
シンプルな内装のカフェとは
シンプルな内装のカフェについて、明確な定義はありません。
しかし、ある程度定義が必要なので下記の様に定めます。
シンプルな内装のカフェ=「無駄な物や飾りがなく、シンプルな色使い。素材感を生かしたカウンターやテーブルなどが引き立つ内装のカフェ」
ただそれだけですと、「シンプルだけど何か物足りなさを感じる」かもしれません。カフェの場合は集客できるかどうかが重要です。その為、シンプルな中にも魅力がある、つまり、
- 「無駄のないおしゃれ」
- 「緻密に考えられた余白のあるデザイン」
- 「余計なものを削ぎ落として洗練されている」
といった印象を与えるデザインが、シンプルな内装のカフェと言えるでしょう。
シンプルな内装のカフェは配色がポイント
内装をシンプルに演出するには、配色が大きな影響を与えます。複数の色を使った壁と、1色で統一された壁とでは、その印象に大きな差が出ますよね。
シンプルな内装のカフェは、配色を2色程度に抑えます。使う材質を統一するデザインの内装です。使用する色の種類は、3色までが限度でしょう。ただし、これは経験則ですが、3色を使うとシンプルさを消してしまうようなデザインに仕上がりがちです。
最近のシンプルなデザインの傾向を考えても、2色程度にとどめて設計するのが望ましいと言えます。
シンプルな内装のカフェは白を基調にするとうまくいきやすい
シンプルかつおしゃれな印象を与えるのにぴったりなカラーと言えば白。「おしゃれだな」と思ったカフェは、白を基調とした内装が多いのではないでしょうか。
白は色味が少なく、簡潔で飾り気がないなど、“シンプルさ”という条件をそろえている色です。
そのため、白を基調とした店内は
- 清潔感を演出しやすい
- 空間を広く見せやすい
- ツヤ感のある白は高級感を出しやすい
- 木目や他の色との相性が良い
といった特徴があるため、白はシンプルな内装をデザインするのに適した色と言えます。
イメージしている内装によっては、白は向いていないかもしれません。けれども、内装のメインカラーに迷っているのであれば、白をベース色に選択しましょう。
シンプルな内装のカフェとコンセプト
カフェの内装をシンプルにしようと決めたら、お店のコンセプトとマッチしているかどうか照らし合わせてみましょう。コンセプトとミスマッチしている場合は、オープン後にお客さんがリピートしないといった問題が生じる可能性があります。
お店の内装は、そのお店のコンセプトを具体的に表現したものです。いくらシンプルな内装のカフェに憧れていても、コンセプトに合わなければ避けるのが無難です。
それでは、どのようなコンセプトがシンプルな内装にマッチするのでしょうか。
シンプルな内装のカフェにマッチしやすいコンセプトの例を挙げてみます。
素材重視のシンプルな内装にマッチしたコンセプト
素材にこだわったシンプルな内装のカフェは、無駄がなくナチュラルなイメージから、「オーガニック食材にこだわったヘルシー志向のカフェ」といったコンセプトにマッチします。
配色を工夫した内装にマッチしたコンセプト
配色を制限し統一感を出したシンプルな内装のカフェは、落ち着きある雰囲気になりやすいです。
- 静かな雰囲気の中でこだわりの1杯を味わえる大人向けのカフェ
といったコンセプトにマッチします。
質にこだわった内装にマッチしたコンセプト
派手さのない上質な内装のカフェは、光や素材の演出によって高級感が出ます。
- スペシャリティーコーヒーと有名パティシエのスイーツを楽しめる
- 手間暇かけて豆の調達から行うこだわりのコーヒー
といった、コヒーなどの商品にこだわりがあるならオススメです。
コンセプトは、「あなたが描いている理想のカフェを一言で表すと?」の質問に対する答えのこと。つまり、内装をはじめ外装やメニューの内容、料金などのベースとなる要素です。もし、「シンプルな内装のカフェというイメージが先行していて、コンセプトを決めていない」というのであれば、できるだけ早くコンセプトを決めましょう。コンセプト作りはこちらの記事を参考にしてください。
デザイン性とシンプルさのバランスのとり方
シンプルな内装のカフェをデザインする際の注意点があります。デザイン性とシンプルさのバランスをとることです。なぜなら、デザイン性を追い求めるとシンプルさが失われるおそれがあります。また、シンプルさばかりに目が行くとデザイン性が弱くなり、「安っぽい印象」となるリスクが潜んでいます。
デザイン性とシンプルさのバランスをとる要素
デザイン性とシンプルさのバランスをとるのは非常に難しいことです。けれども、以下の要素を考慮して、バランスのとれたデザインにします。
- 収まり:ラフに作るか?綺麗につくるか?
- 材料選定:素材本来の印象や見え方
- 照明計画:光の色や当て方
- コストコントロール:どこにコストをかけるべきか?
- お客さんの視点:お客さんが本当に喜んでくれるのか?
- 配色数:2〜3色
これらの要素のバランスに注意します。
「シンプルだけどおしゃれなカフェ」という印象を、お客さんに与えやすくなります。反対に、これらの要素のバランスが崩れると、
- チグハグな内装のお店
- チープな印象のお店
- 価格帯に見合わないお店
ができてしまいます。
デザイン性とシンプルさのバランスをとるには専門知識や経験が必要です。なぜなら、
- あなたのコンセプトと一貫性をもたせる必要がある
- 選ぶ物件による影響が大きい
- 建物の構造や間取りなどからデザイン性を考える必要がある
- 設備やレイアウトなどの設計が見え方に影響する
これらは専門的な領域に入る作業です。各要素についてアイデアをまとめてそれを設計者やデザイン担当者に伝えましょう。
よりイメージに近い内装に仕上がる可能性が高まりますよ。
“白”に頼りすぎることは危険?
白はシンプルな内装に利用しやすいですが、取り入れたからといって100%成功するというわけではありません。
使い方によっては、
- 没個性
- 無機質
- (白が強すぎて)落ち着かない
といった印象を与える可能性があるからです。
白を取り入れる際は、デザイン性とシンプルさのバランスを取ることが大切でしょう。
例えば、お店全体を白で統一したい場合、「お客さんが心地よく過ごせる空間なのだろうか」というふうに、お客さんの目線に立って考えてみましょう。もし、白が強すぎると感じたら、木目などナチュラル感を取り入れたり、似た色と組み合わせたりするなどの工夫が必要です。
4 シンプルな内装のデザインを業者に依頼する際の注意点
シンプルな内装のデザインは、簡単にできると考えるかもしれません。
けれども、シンプルにデザインすることは余計なものを削ぎ落とす引き算思考です。そして、おしゃれ感や洗練された印象に仕上げる必要があります。
考えているよりもかなり難しい作業です。
デザインを依頼する業者は、慎重に選びましょう。店舗のデザイン設計の専門会社でも、シンプルな内装デザインに強いところとそうでないところがあります。
専門家でもわかっていない
業者やデザイナーによっては、そもそも『チープな印象』になることをわかっていない人もいます。特に、「シンプルにかつ魅力的なデザインにするにはどうしたらいいか」といった工夫が必要なデザインを手がけた経験のない場合は、その傾向が強いでしょう。
単価の高いお店からローコストなお店まで豊富な実績が求められる
単価の高いお店で、かつデザインの要素を減らしてシンプルに作り上げた経験を何度か体験しないと、設計者や担当者本人も何がチープなのかわかっていない場合がほとんどです。
そもそもシンプルな内装でも、単価の高いお店を作りたい場合は、それなりの高級店デザインの経験者を選ぶ必要があります。デザイナー自身も、高級店に何度も視察を行い、かつ空気感も把握していることが求められます。
シンプルでローコストの内装を作りたいのなら、どこの会社でも大丈夫です。
写真を見せて「こんな感じにしたいです」と伝えれば、似た様な感じの内装をデザインしてくれるでしょう。
けれども、シンプルで上質な内装を作りたいのなら、設計やデザインのみを本業としている専門家で、高級店からローコストなお店まで幅広く経験値がある人とお店を作りましょう。
まとめ
シンプルな内装のカフェのデザインに失敗しないコツについてご紹介しました。失敗を避けるには、シンプルな内装について、理解を深めることが大切です。
シンプルな内装は、お客さんに好印象を与える一方で、デザインによってはチープな印象になりやすい特徴があります。
チープなお店にならないようにするためには、内装に使用する材料の選定から照明器具の光の当て方まで、細かく計画を行う必要があります。こうしたプロセスは、デザイン設計会社と共に進めていくことになるでしょう。
シンプルな内装は、意外に難しくコストもかかるデザインです。予算内で仕上げることも大切ですが、デザイン設計会社を選ぶ場合は、シンプルな内装を手がけた実績や、デザインに対する考え方、対応なども判断材料に入れることを忘れないようにしましょう。弊社ではメルマガを通じて、カフェの出店を予定しているオーナー向けに、内装デザインに関する情報を提供しています。興味があったら登録してみてくださいね。購読料は無料です。
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