主婦お店を開くには?開業前の5つのプロセス
主婦がお店を開くには、超えなければならないハードルが多々あります。しかし、自分のお店を開くのに職業や年齢は関係ありません。主婦でもお店を開くことは可能です。
ただし、主婦の場合は、お店を開いたらこれまでの立場や環境が大きく変わるということに留意する必要があるでしょう。
主婦がお店を開くこと際にハードルとなるのは、
- 家事や子育てが中心になっており経営から離れている
- 家事や子育てをしながら開業にむけて準備をしなければならない
- 借入をして返済をしていくことへの精神的な不安や疲労が重くのしかかる
でしょう。
そのため、主婦がお店を開く場合、実際にお店を準備する前に、これらの課題を解決しておくことが大切です。
本記事では、このプロセスにフォーカスして、主婦がお店を開く手順をご紹介します。
目次
働ける期間と時間を考える
最初に今の年齢を考慮して、何歳くらいまでお店に立って働き続けられるかを考えましょう。これは、時間を整理することによって、効率よく開業準備をする足がかりを作るためです。
特に、借金返済や家事との両立を実現させるうえで重要なプロセスとなるでしょう。
例えば、借り入れをしてお店をオープンしたのなら、返済する必要があります。働ける期間を明確にすることによって、借入金額や返済額などのめどが立ちます。
もし、現在お店に勤めているのなら、お店をやめるまでにいくら貯金ができるかを計算することもできるでしょう。
また、何時間くらいお店で働けるのかについて明確にすることも大切です。
家事や育児といった家のこともしなければならない場合は、開店準備や開店後の営業時間が限られます。稼働できる時間帯を決めることで、1日のスケジュールを調整できます。ほかにも、必要に応じてヘルプを頼むなどクリアする課題も明らかになります。
家族の同意を得る
お店を開くことについて、家族から同意を得ましょう。
自分の意思だけでお店を開くこともできます。しかし、主婦にとって家族は切り離せない存在です。お店をオープンすることによって、これまでの生活に変化が起きることが考えられ、家族もそれに巻き込まれます。
お店を開くことで考えられる変化は、
- 家族と接する時間が減る
- 場合によっては旅行やレジャーに出かけられない可能性がある
- 赤字になったら家計に影響が出る
- 子供の世話をお願いする可能性がある
などです。
こうしたことを話し合った上で同意を得るようにしましょう。
同意を得ておくことで、いざとなった時に協力してもらえます。し、言い争いを避けることにもつながります。(家族の協力があるだけで精神的な安心感が違います)
お店で得た収入はどのように使うかを考える
お店で得た収入の使い道についても、明確にしておきましょう。
現在どのように収入を使っているかによって、開業から開業後の家計のやりくりに影響が出るからです。
例えば、旦那さんの収入と自分のパートで計50万円稼ぎ、そのお金で生活しながら開業資金を貯金している場合と、旦那さんの収入50万円だけで生活できており、自分がパートで働いたお金はすべて開業資金の貯蓄に回せる場合とでは、かける初期費用に差が出てくるでしょう。
お店で得た利益を、生活費に回す必要があるかどうかということは、開業後の家計のやりくりにも影響を与えます。
特に何も決めていない状態で収入に大きな変化が出た場合は、夫との言い争いに発展するリスクが高まります。(精神的に辛いです)
お店で得た収入の使い道については、開店前に決めるのが得策です。
家族の協力を得られるかどうかを確認する
お店を開くにあたり、家族の協力が得られるかどうかを確認しましょう。主婦がお店を開いた場合、家事や育児と並行してお店を切り盛りする必要があります。
もし、家族の協力が得られなければ、家庭のこともお店のことも全て一人でやらなければならず、自分にかかる負担が大きくなります。
家族に協力を得られるかどうか聞く前に、開店後協力が必要になりそうなことを想定し、それを紙に書き出します。そして、それを見ながら一つひとつ家族に確認することで、話し合いがスムーズになります。
もし、家族の協力を得るのが難しい場合は、例えば託児所を利用するなど他の方法でカバーできるかどうかを考えます。
どこで開業するかを決める
お店を開く場所は、お客さんが多く訪れる場所が基本です。けれども、主婦の場合は、家の仕事と両立できるかどうかも考慮しなければなりません。
お店を開くには、
- 店舗を借りる
- 自宅の一部を店舗にする
という方法があります。
例えば仕事に出ている間家事や子育てを任せられる環境にあれば、店舗を借りる選択もありでしょう。子供の面倒を見ることを優先したいという場合は、自宅の一部を店舗にすることを検討してみましょう。そのうえで、コストや立地条件などから検討を重ねます。お店を継続するには、売上もそうですが、オーナーがお店を切り盛りしやすい環境づくりも大切な要素です。
お店を開くとなった場合に必要になること
店舗を開くと決めた場合に必要になるのは、以下のことです。
- 理想のお店のコンセプト化
- 事業計画書の作成
- 物件探し
- 資金調達
- 資格取得・届け出申請
- 店舗のデザイン設計
一つひとつ見ていきましょう。
理想のお店のコンセプト化
描いている理想のお店を言葉で表現してみましょう。
それが、お店をコンセプト化するということです。イメージを言語化すると、人に伝えやすくなります。また、お客さんに覚えてもらいやすくなります。コンセプトは、お店の方向性を決めるうえで重要な役割を果たします。その為、お店を開くと決めた時点で考えるようにしましょう。
店舗コンセプトの決め方はこちらの記事を参考にしてください。
事業計画書の作成
事業計画書とは簡単にいうと、お店の未来図のことです。融資を受ける際に融資先に提出したり、計画書の内容にそって準備を進めたりしますので、開店する際に重要な書類であることが分かるでしょう。
事業計画書は、何を目的としたお店で、どのようにお店をつくっていくか、資金はどうやって調達するかなど、具体的に書くことがポイントです。事業計画書は、お店準備の初期に必要となりますので、コンセプトやお店の概要を決めたら、作成に取りかかりましょう。
物件探し
自宅で開業するというのなら別ですが、店舗を借りてお店を開くという場合は、物件を探す必要があります。物件が決まらないとできない作業も多いので、事業計画書を作成したら、早めに行動しましょう。
物件には、
- 居抜き物件
- スケルトン物件
の2種類があります。居抜き物件は、前に借りていたテナントの設備などが残されている状態の物件です。一方のスケルトン物件は、そうした設備などが取り去られ、骨組みだけが残されている状態の物件を指します。どちらがよいかは、物件の内容や立地条件、費用などによって異なります。
- 頭に思い描いているお店を具現化できるかどうか
- お客さんが来てくれるかどうか
- 家の仕事とのバランスがとれる距離にあるかどうか
などを考慮することがポイントです
資金調達
初期費用としてまとまったお金が必要です。すぐに支払いができるように、早い段階で準備しておきましょう。資金調達の方法には、
- 自分の貯金
- 家族からの援助
- 金融機関からの借り入れ
- クラウドファンディング
などが考えられます。
理想なのは、自己資金でまかない、借金を作らないことです。それが難しい場合はお金を借りる必要がありますが、できるだけ返済しやすい方法を選ぶとよいでしょう。
金融機関等から融資を受ける場合は、申込みから審査の結果が出るまである程度の時間がかかります。できるだけ早く手続きを進めるのが得策です。
資格取得・届け出申請
開店するお店の業種によって、資格や届け出が必要です。
どのような資格や届け出が必要なのかについて事前に確認しましょう。
例えば、カフェを開く場合には、以下の資格や届け出が必要です。
- 飲食店営業許可
- 食品衛生責任者
など。
開業届は、業種に関係なく共通している届け出です。必須ではありませんが、お店のオーナーになるのなら、届け出するのが無難でしょう。現在夫の扶養に入っていたとしても開業できますし、収入が少なければ開業後しても収入に応じて控除を受けられます。
店舗のデザイン設計
店舗(または自宅の一部)のデザイン設計は、自分のアイデアやイメージを具現化する、重要なプロセスです。コンセプトや事業計画書をベースに、内装や配色、テーマなどを決めていきましょう。
店舗の工事はデザイン設計事務所などに依頼すると思いますが、似たような店舗のデザインに実績があり、こちらの話に耳を傾けてくれるデザイン設計会社を選ぶことをおすすめします。デザイン設計において、お店のイメージの共有はとても重要です。できるだけ正確にイメージを共有できるようにテキストや画像を使って担当者に伝えるようにしましょう。
以上、開店に必要なことを説明しました。開店に必要な準備の仕方や流れについてもっと具体的に知りたいという場合は、こちらの記事を参考にしてください。
参考:内装工事の流れ10STEP|それぞれの期間とやるべきことを詳しく解説
まとめ
主婦がお店を開くにはどうしたらいいのかについて説明しました。
お店を開く準備ももちろん大事ですが、主婦の場合は準備に入る前に、主婦からビジネスオーナーにシフトするプロセスを必ず踏むようにしましょう。
ご紹介した開店の準備に入る前に必要なプロセスは、以下の5つでした。
- どのくらい働きたいかを考える
- お店で得た収入はどのように使うかを考える
- 家族の同意を得る
- 家族の協力を得られるかどうかを確認する
- どこで開業するかを決める
家族の理解を得て、やっていけるめどが立ったら、開店の準備にとりかかりましょう。一つひとつのプロセスをていねいに行い、開店準備を無理なく進め理想のお店のオープンを目指しましょう。