飲食店の内装デザインで差をつけるコツ|お客様が何度も来たくなる空間作り
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飲食店の内装デザインにお悩みのオーナー様へ、売上アップやリピーター獲得につながる内装づくりの具体的なポイントをご紹介します。
この記事では、ターゲットとなる客層に響くコンセプト設計や、居心地の良い空間づくり、色彩・素材の選定、さらには成功事例と失敗事例まで、プロの視点から詳しく解説いたします。記事を読み終えていただくと、お客様が「また来たい」と感じる魅力的な店舗づくりのポイントが明確になり、競合店との差別化にもつながります。
【記事の要約】
- 内装デザインが顧客心理と売上に与える重要な影響
- ターゲット客層に合わせたコンセプト設計の方法
- 業態別(カフェ・レストラン・居酒屋)の内装のコツ
- 動線・座席配置・照明による居心地の良い空間作り
- 食欲を促進する色彩選択と素材選びのポイント
- リピーターを生む細部へのこだわりと工夫
- 成功事例と失敗パターンから学ぶ実践的ノウハウ
最後までお読みいただくことで、単なる見た目の美しさにとどまらず、売上やお客様満足度の向上にもつながる、戦略的な内装デザインの知識とスキルを身につけることができます。
飲食店の内装デザインにお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

株式会社Lovation
山田 真吾(やまだ しんご)
店舗デザイナー
資格 : 照明士 / 商業施設士 / 色彩検定/マーケティング検定
これまでに手がけた店舗数は 180以上。 美容室、飲食店、カフェ、物販、フィットネス系、サロン系など、あらゆる業態において店舗デザインの実績があります。地域は北海道から沖縄まで日本全国で「多くの人から愛され、永く続くお店づくり」をサポートしています。
飲食店の内装が売上に与える重要性

飲食店において、内装は店舗の印象を左右する非常に重要な要素です。SNSなどでお店を知るところから始まり、料理の味はもちろん、店舗全体の雰囲気や居心地の良さに至るまで、一貫した体験価値の設計が顧客満足度に大きな影響を与えます。お客様は料理だけでなく、お店での過ごし方や居心地にも満足することで、より高い顧客満足を感じていただけます。
雰囲気や居心地が悪いと、どんなに料理が美味しくても来店するお客様は徐々に減ってしまいます。現代の消費者は食事をする際、単に美味しい料理を求めるだけでなく、店舗で過ごす時間全体の体験価値を重視する傾向にあり、内装デザインはその体験価値を大きく左右する要素なのです。
さらに、「インスタ映え」と呼ばれるような視覚的要素が集客面にも関わります。魅力的で個性的な内装デザインによって、SNSでのシェアや口コミの拡散が促され、新たな顧客を呼び込む効果が期待できます。これは現代のデジタル社会における重要な集客手法として位置づけられています。
| 内装による効果 | 売上への影響度 | 具体的なメリット |
|---|---|---|
| 顧客満足度向上 | 高 | リピート率向上、口コミ拡散 |
| SNS映え効果 | 中〜高 | 無料宣伝効果、新規顧客獲得 |
| 競合との差別化 | 中 | ブランド価値向上、選択される理由の創出 |
内装デザインが顧客心理に与える影響
内装デザインは顧客の心理状態に直接的な影響を与え、食事体験全体を左右します。内装によって印象的な雰囲気をつくり、利用客にとって快適な空間にすることで、飲食店での体験をより良いものにできます。
居心地の良い空間は、顧客の滞在時間を長くし、結果的に客単価の向上につながります。適切な照明や色彩、音響環境によって、顧客はリラックスして食事を楽しむことができ、満足度も高まります。
また、内装デザインによって形成される店舗の雰囲気は、顧客の記憶に強く刻まれる要素でもあります。利用客の満足度が高まれば、リピーターの獲得にもつながります。特に、感情に訴えるデザイン要素は、顧客の印象に強く残り、「また行きたい」と感じさせます。
顧客心理の観点から見ると、清潔感のある内装は安心感を与え、温かみのある素材や色調は親しみやすさを演出します。一方で、洗練されたデザインは特別感を演出し、顧客の期待値を高める効果があります。これらの心理的効果を理解し、ターゲット顧客層に適した内装デザインを選択することが重要です。
競合との差別化における内装の役割
現代の飲食業界は激しい競争環境にあり、内装にこだわることで、競合店と差別化でき、集客力も期待できます。同じ業態や価格帯の店舗が乱立する中で、内装デザインは他店との明確な違いを示す重要な要素となっています。
独自性のある内装デザインによって、店舗のブランドアイデンティティが確立され、お客様の記憶に残る店づくりが実現します。
例えば、オーナーのこだわりが感じられる特徴的な素材、お店の造りを活かしたオリジナリティのあるレイアウト、お店の価値観が伝わる独自の装飾品などは、他店にはない魅力となり、顧客にアピールできます。
競合分析の視点から見ると、同エリア内の他の飲食店と異なる独自のコンセプトを採用することで、「このお店に行きたい」と思ってもらえるかどうか、つまりお客様の来店動機をつくることが大切になるでしょう。
また、内装による差別化は価格競争を回避する効果もあります。
独特の雰囲気や体験価値を提供することで、顧客が価格以外の価値を感じられれば、適正な価格設定でも選ばれる店舗となります。飲食店の内装は、単なる装飾にとどまらず、店舗の理念やサービスの価値を視覚的に伝える重要な役割を担っています。そのため、競合他店にはない独自の価値を提供する要素として機能します。
飲食店内装デザインの基本コンセプト設計

飲食店の内装デザインにおいて最も重要なのは、コンセプトを明確にすることです。コンセプトには、売り手側(お店側)からの視点と、買い手側(お客様)からの視点の2種類があります。
これら2つのコンセプトが、その店が顧客にどのような価値を提供するのかを示す基準となり、内装デザインを考える際の土台となります。明確なコンセプトを設定することで、飲食店の内装に統一感を生み出すことができます。コンセプトが曖昧だと、デザインに一貫性がなくなり、お客様の印象に残りにくい店舗になってしまいます。
料理のジャンルや店舗コンセプトに合わせた内装は、食事の雰囲気をより一層引き立て、顧客に豊かな体験を提供できます。また、コンセプトを軸にした内装デザインは、競合店と差別化を図る上で重要な要素となり、ブランディング効果をもたらします。
ターゲット客層に合わせたコンセプト作り
内装や雰囲気をターゲットとする顧客層に合わせて決めることで、特定の層を惹きつけやすくなります。ターゲット層の設定は、年齢・性別・職業・ライフスタイルなど多角的に検討することが大切です。
たとえば、若い世代をターゲットとする場合は、モダンでカジュアルなデザインが向いています。一方で、高齢の方を対象とする場合は、落ち着いた色合いや安心感のある内装が好まれる傾向にあります。また、ファミリー層をターゲットとする場合は、お子さまが安全に過ごせる設計や、汚れに強い素材選びが重要です。
| ターゲット層 | 適した色調 | デザインスタイル | 素材選択のポイント |
|---|---|---|---|
| 若年層(20代-30代) | ビビッドカラー、モノトーン | モダン、カジュアル | メンテナンス性、コストパフォーマンス重視 |
| 中年層(40代-50代) | 落ち着いたトーン、アースカラー | 上品、クラシック | 上質感、耐久性重視 |
| 高齢層(60代以上) | 温かみのある色調 | 和風、トラディショナル | 安全性、親しみやすさ重視 |
| ファミリー層 | 明るく清潔感のある色 | ナチュラル、親しみやすい | 汚れに強い、安全性重視 |
ターゲットとなる客層を意識したコンセプト作りにおいては、そのお客様が求める体験価値を明確にすることが重要です。例えば、ビジネスパーソンをターゲットとする場合、「効率的に食事ができる時間」や「集中しやすい環境」といった価値を提供するコンセプトが適しているでしょう。
業態ごとの内装デザインの傾向
内装デザインのスタイルには、和風、洋風、北欧風、モダン、カジュアル、古民家風、シンプル、ナチュラルなど、さまざまな種類があります。飲食店の業態によって、お客様が期待する雰囲気や滞在時間、利用シーンが異なるため、それぞれに合ったデザインが求められます。
実際に売れている飲食店のオーナーほど、多くの繁盛店を訪れて学んでいます。業態ごとのデザイン傾向を理解することで、お客様の期待に応える店舗づくりが実現できます。
カフェ・喫茶店の内装ポイント
カフェ・喫茶店は長時間の滞在を前提とするか、回転率を重視するかで作りが変わる業態のため、居心地の良さや、利用者が長く滞在したくなるデザイン、また着たくなる魅力が重要です。カフェの場合、北欧風の内装はお洒落で楽しい気分に、古民家風の内装はのんびりと過ごせる雰囲気になるなど、内装によって店舗の雰囲気を大きく左右します。
カフェの内装では、自然光を活用した明るい空間作りや、一人でも気軽に利用できるカウンター席、グループ利用に適したソファ席などの多様な席タイプの設置が効果的です。また、Wi-Fi環境の整備や電源コンセントの設置など、現代のカフェ利用者のニーズに応える設備も欠かせません。
色彩については、落ち着きのある色調を基調とし、アクセントカラーで個性を演出する手法が一般的です。木材や観葉植物を取り入れたナチュラルな雰囲気や、インダストリアルテイストによるクールな印象など、ターゲット層に合わせて内装のスタイルを選ぶことが大切です。
レストランの内装ポイント
レストランは食事を楽しむことを主目的とした業態のため、料理を引き立て、特別感を演出するデザインが求められます。価格帯や料理のジャンルによって、求められる雰囲気も大きく異なるのが特徴です。
例えば、レストランの席周りでは「青」ではなく、「オレンジ」や「赤」などの暖色系を使い、食欲を刺激します。照明計画においても、料理をより美味しそうに見せるための照明の色温度選びや、テーブル上の十分な明るさの確保が重要です。
高級レストランでは、上質な素材と落ち着いた色調を用いて格調高い雰囲気を演出し、カジュアルレストランでは、親しみやすさや清潔感を重視したデザインが適しています。また、オープンキッチンを採用する場合は、厨房の美しさも内装の一部として計画する必要があります。
居酒屋・バーの内装ポイント
居酒屋・バーは主に夜に営業する業態であるため、夜の雰囲気を活かした大人の空間づくりが大切です。リラックスして会話を楽しめる環境と、非日常感を演出するデザインが求められます。
一方で、バーでは、カクテルやワインをより美しく引き立てるために、青色の照明を使うこともあります。照明は特に重要な要素であり、間接照明を多用して落ち着いた雰囲気を演出したり、お酒の色を美しく見せるための照明計画が欠かせません。
居酒屋では和の要素を取り入れた親しみやすいデザインが好まれる傾向にあり、バーではシックで洗練された大人の空間が求められます。カウンター席の設計では、バーテンダーとのやりとりを楽しめる適度な距離感や、一人でも利用しやすい居心地の良さを考慮して設計することが大切です。
座席配置では、会話を楽しめるプライベート感のある半個室風の席や、カウンター席での一人利用など、多様な利用シーンに対応できる空間構成が効果的です。また、音響設備にも配慮し、BGMの音量や音質が会話の妨げにならないよう設計することも大切です。
お客様が居心地良く感じる空間作りのコツ

飲食店において、お客様に快適な時間をお過ごしいただくためには、見た目の美しさだけでなく、実際に居心地のよい環境を整えることが大切です。お客様がリラックスし、食事を楽しめる空間は、リピーターの獲得や口コミによる集客につながります。
動線設計の重要性
動線設計とは、店内の通路や景観の配置を最適化し、お客様が店内をスムーズに移動できるようにするレイアウトのことです。動線設計は、飲食店の居心地の良さに大きく影響する、非常に重要な要素の一つです。
飲食店における動線は、大きく2種類に分けられます。1つは、お客様の移動経路である「客動線」です。客動線の設計がしっかりしていると、お客様は入店から退店まで、迷うことなく自然な流れで移動できます。もう1つは、ホールスタッフや厨房スタッフの移動経路である「作業動線」です。作業動線が適切に設計されていると、スタッフの無駄な動きが減り、業務の効率化につながります。
スムーズなホール動線は、お客様の満足度だけでなく、店舗の回転率や売上にも大きく影響します。反対に、動線設計が不十分だと、お客様は店内で迷いやすくなり、スタッフも混乱して作業効率が低下し、サービスの質も下がる可能性があります。
| 動線の種類 | 重要ポイント | 期待される効果 |
|---|---|---|
| 客動線 | 入店から退店まで迷わない設計 | 顧客満足度向上・再来店率向上 |
| 作業動線 | スタッフの無駄な動きを減らす | 業務効率化・サービス品質向上 |
| エントランス動線 | 店内が見渡せる設計 | 入店への安心感・期待感向上 |
動線設計を成功させるためには、お店の中での一連の流れを検討した上で、動線を設計する必要があります。注文方法、料理の提供方法、支払い方法などを明確にしてから、それに合わせた最適な動線を設計しましょう。
座席配置とプライバシーの確保
飲食店において、座席の配置は非常に重要です。お客様がリラックスして食事を楽しめるように、席の間隔を広めに取ることが望ましいでしょう。適切な座席配置は、お客様の居心地の良さを大きく左右します。
座席配置を考える際には、お客様の人数に応じた柔軟な対応が重要です。2人掛けのテーブル席で、すでに1名のお客様が座っている場合、もう1席に別のお客様が座るケースは少ないでしょう。さらに、4人掛けのテーブル席も同様に、1名のみの場合は残る3席は空席のままになることが多くなります。これは、お店側にとっては大変なロスとなるでしょう。
このような問題の解決策としては、「ベンチシート席+テーブル+可動式椅子」の組み合わせが有効です。この組み合わせなら、テーブルや可動椅子を横に増やすだけで、柔軟に客席数を調整でき、簡単にレイアウトを変更することが可能です。
プライバシーの確保については、以下の点を考慮しましょう。
- 隣席との適切な距離を保つ
- パーティションやグリーンを活用した視線の遮断
- 半個室や個室席の設置
- 座席の向きや配置を工夫し、会話が周囲に聞こえにくいよう配慮する
照明計画による雰囲気作り
照明の明るさや色合いは、内装の雰囲気を大きく左右します。照明は単に明るさをもたらすだけでなく、飲食店の雰囲気づくりやお客様の体験に大きな影響を与える重要な要素です。
ダウンライトやペンダントライト、間接照明など、さまざまな種類の照明を組み合わせることで、お店の雰囲気を一層際立たせることができます。
| 業態 | 照明の特徴 | 効果・目的 |
|---|---|---|
| 高級レストラン・バー | 天井近くを明るく、下に向かって暗くする | 高級感・落ち着いた雰囲気の演出 |
| カジュアルレストラン | 全体的に基準値より明るめ | 回転率向上・活気のある雰囲気 |
| カフェ | 自然光を活用した明るい照明 | 清潔感・開放感の演出 |
照明の明るさは、飲食店の業態に応じて調整する必要があります。例えば、高級感を演出したいお店やビンテージ感のある店舗の場合は、天井付近を明るくし、床に向かって徐々に暗くなるような照明の工夫を取り入れるとよいでしょう。一方、回転率を重視するラーメン店やファミリーレストランでは、店舗全体の照明を平均よりも明るめに設定し、長時間の滞在を自然と控えるよう促す配慮が必要です。
照明計画においては、以下の要素も重要です。
- 料理を美しく見せる演色性の高い照明の選択
- 時間帯に応じた調光システムの導入
- テーブル上の適切な照度の確保
- 間接照明による温かみのある空間演出
これらの空間づくりのポイントを総合的に取り入れることで、お客様が何度も足を運びたくなる、居心地のよい飲食店をつくることができます。専門的な知識と経験が必要な場合は、ロベイションのような店舗デザインの専門会社に相談することも検討するとよいでしょう。
飲食店内装で重要な色彩とデザイン要素

飲食店の成功を左右する重要な要素の一つが「色彩とデザイン要素」です。色は私たちの心理に大きく影響し、食欲や気分、そしてお店への印象を左右します。また、お店の売上や人気にも関わるため、内装やインテリア・看板・メニューなどに使う色は、慎重に選ばなくてはなりません。
適切な色彩選択により、お客様の食欲促進、滞在時間の調整、そして記憶に残る印象を与えることが可能です。
食欲を促進する色彩選択
飲食店における最も重要な色彩効果は「食欲促進」です。食欲を増進させる色として、赤やオレンジ、黄色などの暖色系が特に効果的とされています。
| 色 | 食欲への効果 | 心理的影響 |
|---|---|---|
| 赤 | 食欲増進(最高レベル) | アドレナリンの分泌を促し、店内が明るくにぎやかな印象 |
| オレンジ | 食欲増進・温かみ | 脳を刺激し、「お腹が空いてきた」という感情を起こしやすい |
| 黄色 | 食欲増進・活気 | 明るさと親しみやすさを演出 |
| 茶色 | 食欲増進・安心感 | 自然な温かみと落ち着きを提供 |
| ピンク | 食欲増進・優しさ | 甘さのイメージと親しみやすさを演出 |
体内温度の上昇とともに、血流や内臓の働きが活発になるため、食欲が増すという生理的な仕組みも、暖色系の効果を裏付けています。
避けるべき色として、青や灰色などの寒色系があります。青色などの寒色系は、自然界の食材にはあまり見られない色であるため、人の脳は青色などの寒色系を食べ物として認識しにくい傾向があります。本能的に「青=食べ物ではない、美味しそうに感じない」と捉えてしまうため、食欲が減退しやすくなります。ただし、淡い色調のパステルカラー(明度が高く、彩度が低い色)を採用すれば、食欲を減退させる効果を軽減できます。薄い水色やグリーンなどは、テーブル周りではなく壁紙に使用するなど、場所に応じて使い分けることもできます。
壁材・床材の選び方のコツ
壁材・床材の選択は、店舗全体の印象を決定づける重要な要素です。色彩だけでなく、素材の質感や機能性も考慮する必要があります。
壁材選びのポイント
壁材は店内で最も面積の大きい部分であり、全体の雰囲気を左右します。面積を大きく見せるためには、白などの明るい膨張色がおすすめです。また、床から壁、天井へと上に行くほど明るい色を使うことで、縦の広がりを感じさせ、天井を高く見せる効果があります。
| 素材 | 特徴 | 適用業態 |
|---|---|---|
| 木材 | 自然な温かみ、リラックス効果 | カフェ、和食店 |
| レンガ | おしゃれさ、経年変化の風合い | イタリアン、ビストロ |
| 漆喰・珪藻土 | 調湿効果、自然素材の質感 | 和食店、健康志向カフェ |
| タイル | 清潔感、メンテナンス性 | ファストフード、カジュアルダイニング |
床材選びのポイント
床材は機能性を重視しながら、全体のデザインコンセプトとの調和を図ることが重要です。飲食店では清掃のしやすさ、滑りにくさ、耐久性が特に求められます。
- フローリング:温かみがあり、カフェやレストランに適している
- タイル:清潔感があり、メンテナンス性に優れる
- リノリウム:抗菌性があり、衛生面を重視する店舗に最適
- カーペット:高級感や静かな雰囲気を演出できますが、飲食店での使用は限られます。
家具選びのポイント
家具選びは、デザイン性と機能性のバランスを取りながら、全体のコンセプトとの統一感を保つことが重要です。
テーブル・椅子の選び方
テーブルと椅子の組み合わせは、お客様の居心地と回転率に直接影響します。内装の上部である天井や壁には明るい色を、下部の椅子や床には暗い色を使うと、天井が高く店内が広く見える効果があります。
| 業態 | テーブル推奨サイズ | 椅子の特徴 | 素材・色の傾向 |
|---|---|---|---|
| カフェ | 45~60cm長方形 60~70cm角 | 座り心地重視、長時間利用対応 | 木材、明るい色調 |
| ファストフード | 60cm角 | 硬め、回転率重視 | プラスチック、鮮やかな色 |
| 高級レストラン | 80cm角以上 | クッション性、上質感 | 革、ファブリック、落ち着いた色 |
照明器具の選択
一般的に、飲食店ではリラックス効果の得られる電球色か、温白色の照明が適しているとされています。照明の色温度は、内装の色彩効果と相乗作用を生み出します。
- 電球色(2700K-3000K):温かみがあり、料理を美味しく見せる
- 温白色(3500K):自然な色再現で、幅広い業態に対応
- 昼白色(5000K):明るく清潔感があるが、使用は限定的
配色の統一性
内装に使う色は3色以内に収めるのがおすすめです。配色の割合は、メインカラー75%、サブカラー20%、アクセントカラー5%がバランスが良いとされています。
家具選びでは、統一感のない内装の色を多く使用すると、お客さまの視覚に不快感を与えてしまうため、全体のカラーバランスを意識した選択が不可欠です。
効果的な色彩とデザイン要素の選択により、お客様にとって魅力的で居心地の良い空間を創出できます。これらの要素を適切に組み合わせるには、ロベイションのような店舗デザインの専門家に相談するのも一つの方法です。
リピーターを生む内装の細部へのこだわり

飲食店の成功において、リピーター獲得は収益安定の鍵となります。美しく、機能的にデザインされた内装は、顧客に「また来たい」と感じていただける魅力的な空間となり、リピーターの獲得につながります。特にリピーターは流行に左右されることなく、何度も足を運んでくださるため、安定した売上の確保につながります。そのためには、単なる見た目の美しさだけでなく、お客様の心に響くような細部への配慮が欠かせません。
清潔感を演出するデザイン要素
リピーターを生む内装において、清潔感は最も基本的かつ重要な要素です。お客様が快適に過ごせる空間を作るためには、メンテナンスしやすい素材の選定や、清潔感を感じさせるデザインが大切です。
| 要素 | 具体的な対策 | 効果 |
|---|---|---|
| 壁材 | 汚れが目立ちにくい素材、拭き取りやすい表面仕上げ | 日常清掃の効率化、常時清潔な印象 |
| 床材 | 抗菌加工、滑りにくく掃除しやすいタイル材 | 安全性向上、衛生管理の徹底 |
| 家具 | 角の丸い形状、シミや汚れに強い素材 | 怪我の防止、長期間の美観維持 |
| 照明 | 明るすぎず暗すぎない適切な照度、清潔さを際立たせる配置 | 汚れの発見しやすさ、快適な視環境 |
清潔感のある内装は、壁を明るい白で統一し、自然光を最大限に取り入れています。また、椅子やテーブルは、このようなシンプルで清潔感があり、メンテナンスがしやすい素材を選ぶことが重要です。特にファミリー向けの飲食店では、子どもたちがいても安心してくつろげて、汚れにくい素材を選ぶことが望ましいでしょう。
清潔感を保つためには、日々の手入れのしやすさを考慮したデザイン設計が重要です。見た目の美しさだけでなく、実用性を兼ね備えた素材選びにより、長期間にわたって清潔で快適な空間を維持できます。
あなただけのこだわりを取り入れる工夫
リピーターを獲得するためには、他店では味わえない独自性のある空間づくりが欠かせません。お店の個性やオーナーのこだわりを内装に反映させることで、お客様の記憶に残る特別な場所を創出できます。
独自性を演出する具体的な方法として、以下の要素が重要です。
- オリジナル家具やアート作品の設置:地元の作家による作品や、店主自ら制作した家具など、他では見ることのできないアイテムの配置
- テーマ性のある空間構成:特定の時代や文化、趣味をテーマにした統一感のあるデザイン
- ストーリー性のある装飾:店主の経歴や地域の歴史を反映した装飾品の配置
- 感覚に訴える演出:香り、音楽、触感など五感に働きかける細やかな配慮
カウンター席のデザインや機能的な設備の選定など、細部にまでこだわることも、お客様の満足度を高めるポイントとなります。例えば、こだわりのテーブルや椅子は、壁の漆喰との相性が良く、温かみのある雰囲気を演出します。また、素材の組み合わせにも配慮することで、独自の雰囲気を作り出すことができます。
お客様が「ここにしかない」と感じる要素を盛り込むことで、単なる食事の場所から特別な体験を提供する場所へと変化させることができます。ロベイションのような専門会社に相談することで、オーナー様の想いを形にした独自の空間デザインを効率よく実現できます。
記憶に残る体験価値を高めるコツ
リピーターを生む内装では、お客様の記憶に残る「体験」を創出することが重要です。単に食事を提供するだけでなく、現代の消費者は、「食事をする」という行為だけでなく、「体験」や「雰囲気」も重視して飲食店を選ぶ傾向が強まっているため、総合的な体験価値の向上が求められます。
体験価値を高める具体的なアプローチは以下の通りです。
| 体験要素 | 内装での表現方法 | 期待効果 |
|---|---|---|
| 視覚的驚き | 季節に合わせた装飾変更、アート作品の定期的な入れ替え | 再訪問の動機創出、SNS投稿の促進 |
| 五感への働きかけ | BGMの厳選、香りの演出、手触りの良い素材使用 | 記憶の定着、居心地の良さの向上 |
| プライベート感 | 半個室の設置、座席間の適切な距離確保 | 特別感の演出、会話の集中 |
| ライブ感 | オープンキッチン、調理過程の見える化 | エンターテイメント性、料理への期待感 |
カウンター席からはキッチンの臨場感を楽しんでいただけるよう、レイアウトにも工夫が凝らされています。このような配慮によって、単なる食事の場から、調理の様子も含めたエンターテインメント性のある空間に生まれ変わります。
季節やイベントに合わせて定期的にフォトスポットをリニューアルすることで、リピーターにも新鮮な体験を提供できます。また、現代ではSNSの普及により、店内の魅力的な写真や動画が広く拡散されることで、宣伝効果が高まり、売上や集客力の向上も期待できます。
記憶に残る体験価値は、お客様が友人や家族に店舗を推薦する際の重要な要素となり、口コミによる自然な集客効果を生み出します。動線のスムーズさや滞在時間を考慮した空間づくりによって、リピーターを増やし、長く愛されるカフェへと成長していきます。
内装デザイン成功事例と失敗事例

人気店の内装デザインが成功するポイント
成功している飲食店の内装デザインには共通の特徴があります。美しく機能的にデザインされた内装は、顧客にとってまた来たいと思えるような魅力的な空間になるため、リピーターを獲得できる可能性が高まるのです。
明確なコンセプトを実現することが、成功への第一歩です。明確なコンセプトに基づくことで、飲食店の内装に統一感を保つことができるため、顧客にとって印象に残りやすい空間を創り出せます。
| 業態 | 成功ポイント | 具体的な施策 |
|---|---|---|
| カフェ | 開放感のある空間演出 | 大きな窓、明るい照明、北欧風デザイン |
| 高級レストラン | 上質な素材と落ち着いた雰囲気 | 上質な木材や皮を使用、ベージュやブラウンの色調 |
| カジュアル飲食店 | 親しみやすく居心地の良い空間 | 暖色系の照明、リラックスできる座席配置 |
成功している飲食店の内装デザインには共通の特徴があります。美しく機能的にデザインされた内装は、顧客にとってまた来たいと思えるような魅力的な空間になるため、リピーターを獲得できる可能性が高まるのです。
コンセプトの明確な実現が成功の第一歩です。明確なコンセプトに基づくことで、飲食店の内装に統一感を保つことができるため、顧客にとって印象に残りやすい空間を創り出せます。
よくある内装失敗パターンと対策
飲食店の内装デザインでよく見られる失敗にも、いくつかの共通点があります。これらを把握することで、同じような失敗を未然に防ぐことができます。
コンセプトの不統一による失敗
最も多い失敗パターンは、明確なコンセプトなしに内装を決めてしまうことです。コンセプトが定まっていないと、店舗としての方向性が見えにくくなり、お客様にお店の魅力が伝わりにくくなって、結果的に統一感のない空間になりがちです。
対策:
- ターゲット客層を明確に定義する
- 提供価値を言語化する
- コンセプトに基づいた一貫性のあるデザイン要素を選択する
色彩計画の失敗
配色を多用しすぎて落ち着きのない空間になってしまうのも、よくある失敗例の一つです。内装の配色は、多くても3色程度に抑えるのが良いでしょう。カラフルにしすぎると、落ち着きのない印象を与えてしまう原因となります。
対策:
- ベースカラー、アクセントカラー、サブカラーの3色構成にする
- 食欲を促進する暖色系を適切に取り入れる
- 業態に応じた色温度の照明を選択する
動線設計の不備
スタッフとお客様の動線が交錯する設計は、サービス品質の低下を招く典型的な失敗例です。特に小規模店舗では、限られた空間を効率的に活用する設計が求められます。
対策:
| 問題点 | 対策 | 期待効果 |
|---|---|---|
| 厨房とフロアの動線重複 | 独立した配膳ルートの確保 | 作業効率向上、事故防止 |
| レジ周辺の混雑 | 入口近く、客席から離れた位置に設置 | スムーズな会計処理 |
| トイレへのアクセス | 自然な流れでアクセスできる配置 | 顧客満足度向上 |
照明計画における失敗
業態に合わない照明を選択することも、よくある失敗パターンです。照明は料理の見た目や空間の雰囲気に大きく影響するため、慎重な計画が必要です。
対策:
- カフェ:自然光を活かした明るい照明で開放感を演出
- レストラン:料理を美しく見せる演色性の高い照明
- バー:落ち着いた間接照明で大人の雰囲気を演出
素材選びの不適切さ
メンテナンス性を考慮しない素材選択は、長期的な運営コストの増加につながります。飲食店では清潔感を保つことが最優先となるため、美観だけでなく実用性にも配慮することが大切です。
対策:
- 汚れが目立ちにくく清掃しやすい床材の選択
- 湿気や油汚れに強い壁材の採用
- 耐久性と美観を兼ね備えた家具の選定
これらの失敗パターンを避けるためには、希望する内装に近い実績を持つ業者が見つかった場合は、問い合わせてみるなど、専門家との連携を図ることが大切です。経験豊富な内装デザイン会社に相談することで、これらの失敗を未然に防ぎ、成功する店舗づくりが実現できます。
飲食店の内装デザインならLovationにご相談ください

飲食店の内装デザインを成功させるためには、豊富な実績と専門性を持つプロフェッショナルなパートナーを選ぶことが非常に重要です。Lovationでは、これまで培ってきた経験とノウハウを活かして、お客様の理想を超える空間作りをお手伝いいたします。
180店舗以上の店舗デザイン実績
Lovationは、これまでに180店舗以上の店舗デザインを手がけてきた豊富な実績があります。カフェやレストラン、ゴルフスタジオ、バーなど、多様な業態の飲食店で、それぞれのコンセプトや立地特性を活かした内装デザインを提供してきました。
実績を確認することで、その会社の信頼性や専門性を判断し、自社のビジョンに合ったデザインが実現できるかどうか見極めることができます。私たちの豊富な実績は、お客様のご要望にお応えできる確かな技術力の証明です。
小さなお店のデザイン経験が豊富
特に、限られたスペースを最大限に活用する小規模店舗のデザインには豊富な経験があります。15坪以下の小さなお店から30坪程度の中規模店舗まで、空間の特性を活かした効果的なレイアウト設計と動線計画を得意としています。
小さなお店だからこそ重要になる以下の要素を、これまでの経験を通じて熟知しています。
- 限られた空間での効率的な座席配置
- スタッフの動線を最適化したキッチン・サービスエリアの配置
- 視覚的な広がりを演出する照明・色彩計画
- 収納スペースを巧みに組み込んだ機能的なデザイン
スタッフが効率よくサービスを提供し、お客様が快適に過ごせるよう、動線設計を慎重に考えることが重要です。小さなお店であっても、適切な設計により大きな効果を生み出すことができます。
『行ってみたい』『また行きたい』と思われるお店づくり
Lovationの最大の特長は、見た目の美しさだけでなく、お客様に感動を与え、記憶に残る体験を提供するお店づくりを実現している点です。私たちは「行ってみたい」と思わせる魅力的な外観デザインと、「また行きたい」と感じさせる居心地の良い内装空間の両方を創造します。
お客様の心に残る空間作りのために、以下の要素を重視しています。
- ストーリー性のあるデザイン:お店のコンセプトを視覚的に表現し、お客様の印象に残りやすくします
- 五感に訴える空間演出:照明、音響、香り、質感まで考慮した総合的な空間デザイン
- 写真映えする特別な演出:SNSで話題になりやすい印象的なデザイン要素を、効果的に取り入れています。
- 季節感やトレンドの取り入れ:時代に合った新鮮さを感じられる要素の組み込み
飲食店の内装が魅力的であれば、顧客は居心地の良さや特別感を感じ、リピーターの増加につながります。私たちはこの理念を基に、お客様の事業成功をデザインでサポートいたします。
飲食店の内装デザインをご検討の際は、内装業者選びにおいて提案力も重要なポイントとなります。豊富な実績と確かな提案力を持つLovationに、ぜひご相談ください。お客様のご要望をお聞きし、理想を超える空間作りをお手伝いいたします。
まとめ
飲食店の内装デザインは、単なる装飾ではなく、売上にも直接影響する重要な投資です。この記事のポイントを以下にまとめました。
成功する内装デザインを実現するためのステップは、以下の通りです。
- ターゲット客層を明確に定義し、コンセプトを決定する
- 業態に合った色彩や素材を選び、食欲を高める環境を整える
- 効率的な動線設計や適切な座席配置によって、居心地の良い空間を実現する
- 照明計画を工夫して、理想的な雰囲気を演出する
- 清潔感と個性の両方を大切にし、細部にまでこだわりを持つ
内装デザインで迷った際には、経験豊富な店舗デザイナーのサポートを受けることで、ターゲットにとって居心地の良い空間づくりが可能になります。理想の飲食店の成功に向けて、この記事の情報が少しでもお役に立てば幸いです。


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