美容室開業者のための内装デザイン|お客様を虜にする空間作り
美容室を開業するという夢を持つあなた。その夢を現実にするための重要な要素の一つが、美容室の内装デザインです。美容室の内装デザインは、お客様がサロンを選ぶ際の大きな判断基準となります。また、一度入店したお客様が再び戻ってくるかどうかも左右します。
しかし、ただおしゃれなデザインを選ぶだけでは十分ではありません。ビジネスとしての成功を追求するためには、顧客のニーズをしっかりと捉えたデザインが求められます。
この記事では、美容室開業者のための内装デザインのポイントを深く掘り下げます。そして、お客様を虜にする空間作りの秘訣をお伝えします。現代のトレンドを取り入れつつ、独自性を持たせるためのヒントや、プロのデザイナーとの連携の仕方まで、美容室開業を考えるあなたにとって必読の内容となっています。
美容室開業のステップを学びたい人はこちらの記事を参考にしてください。
目次
なぜ美容室の内装デザインが成功のカギとなるのか?

お客様の最初の印象は、美容室の内装から始まります。スタイリッシュで心地よい空間は、お客様がリラックスし、サービスの質を高く評価する起点となります。まずは、その印象について深く掘り下げてみましょう。
お店のデザインや雰囲気は、来店者の心にどのような印象を残すのか、という点で極めて重要な内容です。その理由は、私たち人間が目で見た情報を基に判断を下す傾向が強い生き物だからです。
お客様の最初の印象を決める要因
人は目から入る情報をもとに、環境や物事を速やかに判断する生き物です。この傾向は、生存本能や過去の経験に基づくものです。また、日常の多くのシチュエーションでその影響を受けています。
例えば、美容室に一歩足を踏み入れた瞬間を想像してみてください。お客様はその空間の雰囲気を感じ取ります。
- 温かみのある照明
- 快適な座席
- 整理されたレイアウト
これらは、お客様に安心感と好印象を与えます。
しかし、まだ一度もお店に来たことがないお客様は、それらの印象を感じ取ることができません。そこで、お客様が参考にしているものが「お店の情報」です。
お客様が美容室を訪れる前に、事前の情報収集をします。特に、初めての来店の際、インターネットやSNSでの口コミ、写真を基にお店を選ぶことが多いです。この際、美容室の内部の写真やデザインが公開されていると、その美容室の雰囲気やサービスの質をある程度予想しています。
これは、認知の段階から内装デザインが美容室選びに大きな影響を与えている理由となります。
顧客体験の向上とリピート促進
美容室の内装デザインは、単に美しい空間を作るだけではありません。
それ以上に、お客様の心を打つ体験の土台となる要素でもあります。コンセプトに沿ったデザインは、お客様の期待を超える満足感を生み出します。それがリピートの大きな動機となります。
快適な体験を提供するためには、まずは「理想のお客様像」と「提供する価値」を明確に捉えることが大切です。そして、これらを繋ぐ一貫性のあるデザインを施すことで、顧客体験が向上します。
時代は情報化社会と言われ、多くの人々がサービスを受ける前に事前調査を行っています。このため、お店での体験が事前に得た情報と一致し、さらにはそれを上回る体験を提供することが重要です。
価格だけではありません。心地良い空間やスタッフの対応、そしてデザインの一貫性が、お客様にとっての価値を高める要素となります。
美容室開業者が知るべきデザインの最新トレンド

2023年のトレンドを取り入れた美容室デザインは、顧客の関心を惹きつけ、差別化を図る大きなチャンスです。最新のデザイントレンドと顧客ニーズの捉え方を見ていきましょう。
2023年注目のサロンデザイントレンド
ミニマリズム、サステナブル素材の使用、自然光を活用した開放的な空間などが目立ちます。
その為、2023年のトレンドは
- シンプルな印象:素朴であり上質な雰囲気
- リラックスできる環境:音や視界にも考慮した取り組み
に重点を置いています。
これらのトレンドは、顧客に新鮮な印象を与えます。
また、従来の美容室よりも他の美容室との差別化に力を入れているお店が増えています。差別化はお客様から選ばれるための要素ともなります。しかし、うまく差別化できずに悩んでいる人も多いのが現実です。
差別化に対する間違った情報や認識をもったままお店づくりを進めると、お客様の視点から見た時に「何が違うのかわからない」という結果になります。
顧客ニーズを捉えるデザインのポイント
トレンドを取り入れる際は、顧客のライフスタイルや好みを考慮することが重要です。革新的なデザインでも、顧客が求める機能性や快適さを忘れてはなりません。
また、トレンドには流行り廃りが必ずあります。
簡単に変えることができない内装にトレンドを用いるケースがあります。しかし、数年後には「なんか古いデザインのお店」と思われないように注意しましょう。
重要なことは、「提供価値との一貫性」です。
トレンドは参考にすべきです。しかし、美容室のコンセプトに最適なデザインを活用することの方が重要です。そして、理想とするお客様に満足してもらうことです。
美容室開業時の内装デザインでの失敗を避けるためのアドバイス

開業時のデザイン選定での失敗は、ビジネスに重大な影響を及ぼす可能性があります。失敗を避け、成功へ導くためのポイントを学びましょう。
一般的な失敗例とその原因
よくある失敗例として、トレンドに囚われすぎることや、機能性と快適性を犠牲にすることが挙げられます。また、予算の管理不足によるコストオーバーも注意が必要です。
内装デザインでの失敗を2つのケースから解説します。
Aさんの失敗例
初めて美容室を開業するAさんが、自分の好きな素材や色、趣味のものをお店に飾りました。とても個性的でお店に入りずらい印象を与えたパターンです。
Aさんには今働いているお店から開業するお店に来てくれそうなお客さんがいました。しかし、実際にお店に来てくれた人は、Aさんが想像していたよりも少なかったのです。そこで新規のお客さんを集めようと努力しました。ですが、思うようにできません。ポータルサイトに載せていた写真がAさんの強い個性をより強調する方向に力が働いていたのです。その結果、理想としていたお客さんがお店に来てくれませんでした。
そのため、リーピートする人が少なく、常に新規のお客様を集め続けることに労力もお金も使い続けています。
Bさんの失敗例
初めて美容室を開くBさんには内装のデザインイメージがありました。その為、内装のデザインイメージを美容室を専門とする4社に伝えてプランを出してもらいました。
しかし、思い描く美容室のデザイン提案はありませんでした。
どこの会社も似たようなレイアウトで、似たような雰囲気でした。イメージが伝わるように自分で画像をたくさん準備していました。そのため、ある程度似てしまうのはしょうがないとも感じていました。しかし、「他の美容室と変わり映えのしない美容室」になってしまうことへの恐怖と不安が強かったのです。
ですが、その不安は現実のものとなります。
工事が終わって出来上がったお店は、共有していたイメージにそっくりです。しかし、どこかBさんがイメージしていた美容室の雰囲気とは違うのです。
色や素材感はイメージ画像と同じでも、言語化できていなかった漠然としたBさんのイメージが具体化できず、結果として他の美容室と似たような内装デザインができてしまったのです。
失敗を防ぐための実践的なアプローチ
失敗を避けるためには、まず、「売ること」「売り続けること」を視野に入れたターゲット顧客のニーズを理解し、それに基づいたデザイン計画を立てることが肝要です。
加えて、美容室づくりにかかるコストを長期的な投資として捉え、最適な予算を組みます。そして、コンセプトに一貫性のある世界観を実現するために、効率的な空間活用や、機能と美観のバランスを考慮した設計を行います。
限られたスペースを最大限に生かし「どんなデザインがお客様を呼び込むのか」という視点で予算を有効活用した最高のデザインを実現するアプローチが必要です。
独自性を持たせるコンセプト作りのコツ

美容室の個性を際立たせるコンセプトは、お客様に強い印象を残し、ブランドイメージを形成する重要な要素です。独自性のあるコンセプトの作り方を見ていきましょう。
コンセプト作りについてはこちらの記事を参考にしてください。
顧客のニーズを深掘りする方法
まずは、ターゲットとなる顧客の趣味や嗜好、ライフスタイルについて綿密に調査します。これにより、顧客の日常や価値観、選択の背景にある動機を理解することができます。
次に、顧客が日常で感じている不満や、まだ満たされていない欲求を特定します。これは、顧客が直接言葉にしていない隠れたニーズを探るための大切なステップです。
そして、顧客のプロファイルとその不満や欲求を基に、ビジネスの独自のコンセプトを構築します。このコンセプトは、他の競合と差別化を図るための強力な武器となります。
最後に、構築したコンセプトに基づいて、顧客一人ひとりに合わせたサービスを提供します。これにより、顧客は自分だけの特別な体験を得ることができます。その結果、リピーターが増えて参考になる口コミを書いてくれます。
価値提供に一貫したデザインの世界観構築
コンセプトに基づいたデザインの一貫性は、お客様に満足感と信頼性を提供します。ストーリー性のあるデザインは、お客様に色鮮やかで鮮明な印象を残します。そして、他のサロンとの差別化を図ることができます。
自分の美容室には何か特色やテーマを持たせたいと思っている人は、「コア・コンセプト」を練ることから始めましょう。コア・コンセプトについてはこちらの資料が役に立ちます。
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プロに依頼するメリットとその選び方

内装デザインは専門的な知識が求められる領域です。内装専門のデザイナーに依頼することで、どのような価値が得られるのか、また選び方のポイントを学びましょう。
プロに依頼する最大のメリット
プロのデザイナーは、最新のトレンドや技術を駆使して、機能性と美観を両立させた空間を実現します。また、コストと時間の効率的な管理も期待できます。
- お店を開く人の深層にあるものを言葉に変える
- 言葉から世界観を組み立てる
- 組み立てた世界観に最適なデザインを導き出す
- 曖昧な「雰囲気」を視覚化する
- お客様が「知る」ことから始まり、「好きになる」までの過程に一貫性のあるデザインが生まれる
これらはプロに依頼することのメリットの一部です。
あなたの独自性は、内装デザインの専門家に依頼すれば手に入ります。
デザイナー選びのポイント
美容室の成功には、単に見た目が良い内装だけでは足りません。そのビジネスの独自性や競争力を高めるための戦略的なデザインが求められます。デザイナーは、単にモノを作るだけではありません。ビジョンを共有し、その実現のために一緒に取り組むパートナーとしての役割を果たします。
日本では、デザイナーは主に「見た目」を設計する人物として認識されがちです。しかし、海外ではデザイナーは、クリエイティブな思考を駆使して、クライアントの課題やビジョンを具現化する専門家として位置づけられています。この違いを理解することで、より適切なデザイナー選びができるようになります。
最も重要なのは、デザイナーがあなたのビジョンや思いをしっかりと理解することです。そして、それを具現化する能力です。初めての打ち合わせから、デザイナーとのコミュニケーションがスムーズに行えるか、ビジョンや考えを共有し合えるかを見極めることが大切です。
コストパフォーマンスの良いデザイン実現の秘訣

美容室の内装デザインにおいて、限られた予算内で効果的なデザインを実現するには、賢明な選択と効果的な空間の活用が不可欠です。コストを抑えつつ、質の高いデザインを実現するために知るべきことがあります。
予算内での効果的な空間の活用方法
空間の活用はデザインの要となります。多機能性を持たせるアイディアや、既存の素材や家具の再利用、鏡を活用して空間を広く見せるテクニックなどがあります。また、照明の配置によっても空間の印象は大きく変わります。そのため、コストを抑えつつも最大限の効果を引き出す照明の選び方が重要です。
しかし、内装工事にかかるコストは今後も高くなります。それは社会的な影響があります。主には、
- 職人不足
- 資材の高騰
- 働き方改革
です。
これらが影響し合い、2022年から2023年までのたった1年間で1.5%程度のコスト増になっています。
美容室づくりにかかるコストは長期投資として計画的に予算を組まなければ、効果的に空間を活用することが難しい時代となっています。
美容室開業にかかるコストを長期投資として捉えましょう。そして、最適な予算を組んで予算に合わせたデザインや、コストを抑える取り組みが今後も重要になります。
コスト削減のための賢い選択
限られた予算で最も効果的なデザインを実現するためには、従来の方法にとらわれず、コスト削減のために独自の手法が求められます。また、デザインのシンプルさを追求することも一つです。無駄なコストを削減しつつ洗練された空間を実現することができます。
次のステップに向けて

美容室の内装デザインは、顧客体験を向上させるための重要な要素です。効果的なデザインを限られた予算で実現するためには、空間の最適な活用と賢い選択が不可欠です。
今後のステップとして、差別化の実現を目指した具体的な戦略を考え、デザインのプランニングを進め、プロのデザイナーとの連携を強化することで、長期投資としてコストパフォーマンスの良い美容室の実現を目指せます。
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