店舗物件と事務所物件の違いは?
店舗と事務所物件の違いはなんだ?と思いながらも、知り合いの不動産会社や近場の不動産会社から空きテナントや空きオフィス情報を集めている段階でしょうか?
もしくは、アットホームなどの賃貸情報が掲載されてるサイトを使って情報を集めているかもしれません。
探し方は違えど、居抜きやスケルトンと書いてある店舗向けの情報もあれば、「店舗利用可」と書いてある事務所仕様の情報も出てくるのではないでしょうか?
- そもそも店舗物件と事務所物件の違いはなんなのか?
- 事務所物件でも店舗としてお店を開くことができるのか?
本日はこちらについて解説したいと思います。
目次
1.店舗利用できる物件
まず初めに前提条件として抑えることがあります。「店舗利用できる」とはどういう意味なのか?
考えられる条件はこちらです。
- 法的に店舗利用できるのか?
- 物理的に店舗利用できるのか?
- 集客や運営面で店舗利用できるのか?
- 大家さんの判断次第で店舗利用できるのか?
こちらの4つが考えられます。
1-1.事務所物件が空いていたとしても、法的に店舗利用できるのか?
出店する地域によっては、そもそも出店業種によっては店舗利用できない地域があります。これを市街化調整区域といいます。
以前誰かが店舗として利用していたとしても、次にあなたがその物件を借りて出店できるとは限りません。
市街化地調整区域とは、簡単にいうと市街化するのをコントロールするための地域として位置付けられているエリアです。
地方都市の場合、市街化調整区域の物件の賃貸情報や売買情報がたくさん掲載されています。そして、賃料や売買価格がとても安い特徴があります。
僕も気になって見たことがありますが、出店予定の業種が出店できない可能性が高く諦めました。
他にも専用住居地域は住居専用の地域なのでお店は開かないでねー。といった地域もあります。
細かく把握する必要はないのですが、法的に出店が難しい地域もあるということだけ知っておいてください。
1-2.事務所使用の設備でも物理的に店舗利用できるのか?
店舗物件でも事務所仕様の物件でも、これに該当する物件情報が多いです。たとえ店舗利用できる物件だったとしても、出店する業種によっては必要とされるインフラの能力が違うため入居できない業種があるのです。
アットホームは、業種を選択できるようになっていますよね?
業種を選択する理由は、もちろん出店可能だとされている業種を書いているだけということもあります。しかし、物件によってはガスが通っていないから飲食店は出店できないはず。と、判断した大家さんが飲食店には貸出できないと考えて飲食店や美容室などのガスを使う業種はNGとしている場合があります。
ガスが使えないので、ここで飲食店や美容室を開くのは物理的に無理でしょう。という考えから店舗利用できるのか判断されています。
1-3.集客や運営面で事務所物件を店舗利用できるのか?
大家さんや管理会社からすると、店舗として貸し出したいものの、
- 立地が悪い
- 建物の雰囲気が悪い、汚い
- 建物の形が特殊
- 入口が分かりずらい
- マンションぽい
といった理由から、入居者が決まらず空室期間が長い物件がよくあります。このことに関しては、大家さんよりも、これからお店を開こうとしているあなたの方が感覚は鋭いのではないでしょうか。
お店を開いたとしても、
- こんな立地では集客できないだろう…
- こんな汚い物件に美容のお店は無理…
- 形が悪くてイメージ通りの席数が確保できない…
などなど、お店を開いた後の運営に支障が出そうな物件です。
これらに該当する物件は、大抵賃料が安くなっているかフリーレンとが手厚くついていることが多いので魅力的に見えますが、初めてお店を開く方にはハードルがかなり高い物件です。
戦略的にこのような物件を狙う方もいますが、自ずと自社集客のスキルや初期投資を行える資金源が必要になります。
1-4.大家さんの判断次第で店舗利用できるのか?
最後に大家さんの判断で左右する物件です。
物件自体は店舗利用するに相応しい条件が揃っていても、物件を貸す側の大家さんが
- 飲食店は臭いの問題があるから貸さない…
- 美容室は近所にたくさんあるからね…
- 地方のご当地販売のお店とか入ってくれるといいけど…
といった感じです。
完全に大家さんの好みで決まるパターンです。
2.店舗利用できる事務所物件について
1のセクションでお話ししたことを踏まえて考えると、店舗利用できる物件はたくさんある事がわかりますよね。
もちろん、法的な理由でお店の開業が難しい物件もあります。しかし、その様な物件を除けば、物理的な問題や大家さんにしっかり交渉できれば選択肢が広がることがわかります。
2-1.事務所物件が店舗利用するには物理的に難しい理由
まず初めに事務所仕様の物件についてです。
多くの場合、「店舗可」と書かれている事務所物件でも、店舗利用を認めますよ〜というだけで、設備が整っているわけではないのです。
考えられることは、
- 電気のアンペア数が小さい
- 水道管の径が13mm
- 排水管の径が小さい
- 排水管が区画内にない
この項目を見てわかった方もいますよね。
物販などの水を使わない業種の場合は、これらを気にしなくてもいいのです。
気にする業種といえば、
- 飲食店(軽飲食含む)
- 美容室
- 理容室
- シャワー設備が必要なジム、エステサロンなど
水を使う業種の場合、事務所物件は要注意です。
2-2.店舗物件と事務所物件では引込み電力のがある
また、電力が電灯(でんとう)と呼ばれる電気の種類しか引き込みがない場合もあり、大きい電力を使う動力(どうりょく)が引き込まれていないこともあります。
しかし、区画内に新たに動力を引くことも可能です。
でも、きっとお高いんじゃないの?
そう思いました?
新たに引き込む場合の懸念点は、費用というよりも…問題なのは期間です。
なぜなら、東京電力にお願いする工事であり、東京電力の動き次第でスケジュールが大幅に変わるからです。
これまでの経験で、必要な申請を行ってから普通に2ヶ月以上かかることもありました…
オープンの目処も立たない…
そんなことにもなりえます。
ただ、絶対に出店できないということではありません。
- 電気のアンペア数が小さい場合→ブレーカーのアンペア数を上げてもらう
- 水道管の径が13mm→室内に給水タンクと加圧装置を設置する
- 排水管の径が小さい→大きな配管が必要な場合は諦めましょう
- 排水管が区画内にない→繋ぎ込める排水管が共有部や外部にあれば可能
この様に何かしら対応できることもあります。
しかし、最大の問題は区画内に排水管がなくて、近場にも排水管が無い場合です。
この場合はすんなり諦めましょう。
2-2.大家さんの判断次第で店舗利用できるかもしれない場合
この場合は、まずは管理会社や不動産会社に歩み寄りましょう。大家さんと近い関係だからこそ、大家さんのことや管理している物件のこともよく知っています。
断られる前提でもいいので、詳しい事業内容や、この物件でどうしても出店したい気持ちを具体的に言葉で伝えましょう。
もちろん気持ちだけでなく、事業の内容がわかる資料やどんなお店を作りたいと思っているのか読み取ることができる資料を渡せるととてもいいです。
無理な場合は、言葉で伝えましょう。
このケースで、当初は飲食不可だった物件でも条件の調整で認めてくれたり、お店のビジョンを読んで共感してくれたことで出店が認められたケースは何度もあります。
この交渉で重要なことは、
- 建物は大家さんの資産だと理解したうえで相談する姿勢
- 建物の価値が高まる様なお店だとプレゼンする
- 設備的な問題は専門家に同席させることを伝える
- 撤退の可能性が高いと思われない様にビジネスモデルをしっかり伝える
- 自己資金や融資のことなどお金のことも正確に伝える
これらの内容に注意しながら大家さんに交渉してみてください。
大家さんは自分の建物が傷つけられたり、イメージが悪くなる様なことを避けたいと思っていて、ある特定の業種をNGにしている可能でしがあります。
その為、貸主の気持ちも考えながら交渉することが重要です。
3.店舗物件と事務所物件の違いまとめ
それではまとめです。
ここまで話したことのポイントは、
- 店舗利用できる物件とはどんな物件なのか理解する。
- 店舗利用が物理的に難しい事務所物件でも対策次第で出店できるのか検討してみる。
- 大家さん判断で店舗利用できない場合は交渉してみる。
以上です!
断られるのが気になり交渉しずらいと思うかもしれません。しかし、これからお店を開いてやりたかった事を実現するには避けられない事です。
なぜなら、物件はタイミング次第でいい物件が出ている時もあれば、大したことない物件情報ばかりで望んでいる物件が見つからないこともあります。
その見つからない期間が平気で1年、2年と過ぎてしまうので、望んだ通りの物件が見つかる可能性の方が低いのです。
であれば、ある程度いい条件が揃っていたら、建物の間口や形をうまく活かしておしゃれなお店を早くつくって、少しでも早くあなたの価値ある商品やサービスを世の中に生み出すことの方が重要ではないでしょうか?
ここまで読んでいただきありがとうございます!