狭小店舗デザイン設計事例|町の工場跡地を活用した美容室設計


17坪の完全個室サロン

DATA
エリア:東京都江東区
面積:17.6坪 / 58.3m2
席数:セット面4席+1席 / シャンプー2台 / 待合2席
設計デザイン料:132万円
工事金額:約890万円(外観工事含む)
その他費用:照明器具 / 46万円

この物件のメリットをどの様に活かしたのか。
デメリットとどう向き合い、どう解決したのか。

物件の特徴を有効活用したザイン設計の事例をご紹介します。

1.この物件のメリット・デメリット

こちらは内見時の写真です。

さすがにこの状態からでは、完成イメージの想像はできませんよね…笑

ロベイションの設計者が内見に同行し、建物の形や給排水設備の位置、入り口の位置、外観などのつくりや見え方など、多方面から様々な情報を取り入れ最適なプランをご提案するために調査を行います。

1-1.メリット

まずはメリットからお話しします。

メリットは、デザインをする上で有効なポイントです。その為、デザインの要素に付加価値を付ける工夫やアイディアを考え設計します。

メリット
  • 天井が高い
  • 室外と室内の高低差がある
  • 主要道路から1本奥に入った路面店

1-1-1.天井が高い

都内で築年数が古い建物は、決まって天井が低いです。

しかし、今回の物件は工場跡地であり、既存の天井がとても高く解放感があります。解放感があることで、室内の圧迫感や狭さを感じにくい店舗を実現できます。

1-1-2.室外と室内の高低差がある

路面店の欠点は、通行人と店内の人の目があってしまう事です。

しかし、室外と室内で高低差がある場合、人の目線の高さが変わるため目線を気にしずらい作りにできます。

1-1-3.主要道路から1本奥に入った路面店

路面店舗は、外観をデザインできるメリットがあるものの、常に外から店内が見えてしまうことがデメリットです。

しかし、1本奥に入った路面店は、交通量が少ないので外が気になりにくいのがメリットです。

1-2.デメリット

続いて、この物件のデメリットです。

デメリットを改善し、ターゲットとなる顧客に最適なデザインを設計した事例をご紹介します。

デメリット
  • 外観の劣化状況
  • 入口位置と室内の高低差
  • 室内の劣化状況
  • 既存床の下地と構造の違い
  • 既存エアコンと室外機置き場
  • 大型の構造梁(天井から下がって見える箱型の四角いもの)

1-2-1.外壁の劣化状況

建物自体、店舗として使われていたわけではないので、デザイン性や視認性を高めた作りにはなっていません。

そこで、劣化部分を補修する工事と一緒に外観のデザインを一新します。

ポイントは、「綺麗に造りすぎないこと」です。

極端に綺麗に仕上げてしまうのではなく、街に溶け込む様に馴染ませる色合いや素材感を選定します。また、近隣が住宅という事もあり、外部照明は「明るく看板を照らす」のではなく、「明るく灯る」といった感じにデザインします。

1-2-2.入口位置と室内の高低差

室内との高低差、なんと67cm。

因みに、ダイニングテーブルの高さが70cmです。笑

外と中の高低差がこれほど大きい物件は珍しく、路面店といえば外から室内に入る動線はフラットになっているケースが多いです。

この高低差では、導線計画やレイアウトなどに制限が生まれます。

今回の物件の場合、セット面を配置した右側スペースに向かって店内に入る導線になってしまい、入り口を占める面積が大きくなり面積の無駄を生んでしまう作りになっていました。

下の画像が、既存の入り口をそのまま使う案です。

しかし、より最適なプランがあるのではないか?

そう考えた結果、入り口自体の位置を変える案を検証しました。

その結果、スタッフ導線と顧客導線をきれいに分けた最適なレイアウトで、外観のデザインと呼応したデザインが完成しました。

1-2-3.室内の劣化状況

室内は原状回復がされていない状態のままでした。

そのため、工場の名残があり劣化の激しい状況でした。

この状態から、床・壁・天井を全てを作り替えるとなると莫大なコストがかかると考え、お金をかけて工事をする場所と、綺麗にするだけで既存のまま使う場所を分けて考えました。

コストバランスを考えながらデザインを行い、工事費用を抑える設計を行いました。

1-2-4.既存床の下地と構造の違い

写真からもわかる様に、コンクリート系の材質の床と木材でできた床が部分的に混ざっている事がわかります。

この場合、木材でできている床の下地は、下地用の木材などで床上げしており、床下に隙間があります。

今回もそれと同じで、木材部分の床下だけは空間がある作りになっていました。

既存の木材を剥がして高さを調整し補強する事も可能です。

しかし、補強面積が大きいので費用がかかります。

そこで、今回は木材部分を補強し、上から仕上げ材を貼る方法を選びました。

下地の作り替えに費用をかけてしまうと、目に見えない箇所への費用負担が大きくなり、外装や内装に費用をかけられなくなってしまいます。

費用を最大限に活かす為、部屋全体に費用をかけるのではなく、デザイン性を考慮しながらコストバランスを考えた設計計画が重要です。

1-2-5.既存エアコンと室外機置き場

既存のエアコンがなぜデメリットなのか。

みなさんそう思いませんでしたか?

実際、既存のエアコンが今後も使えるものなのか。その物件のレイアウトに適したものなのか。考える必要があり、実際に使えないことが多々あります。

また、築年数が古く、テナント施設用に作られていない建物は、設置できるエアコンの位置と種類や大きさに制限があります。

今回の物件は、もともと壁にエアコンが設置してあり、一般的な家庭用エアコンと同様、配管を壁の穴から室外にだし室外機に繋げる造りのものでした。

その為、現状と同じタイプのものしか付けられません。

しかし、現状と同じタイプでは、店内の温度ムラが発生すると考えられたので、天井につけるタイプのエアコンが最適だと考えました。

なぜ、温度ムラに対する対策が必要なのか。

それは、エアコンの種類や大きさ、設置位置で風が当たりすぎたり、エアコンの効果が得られない場所ができてしまうのです。

これは、お客様やスタッフの居心地に関係する重要なポイントなので、改善できる物件の場合は、常に最適な空調を求める必要があるのです。

これを叶えるために、この物件では、配管のルートや室外機の位置を工夫し、完全個室の店舗でもエアコンの効果が損なわれにくい環境を作ることができました。

1-2-6.大型の構造梁(天井から下がって見える四角いもの)

この物件の建物自体の構造は鉄骨造です。

鉄骨の場合い、天井から下がって見える四角いものがあります。これを梁(はり)と言います。

この梁が大きすぎると照明計画に大きな影響を与えます。

この店舗の業種は美容室でした。

美容室の場合、作業面(カットスペース)の照明は影が出にくく、どの場所でも同じ照明環境であることが理想です。

この条件を満たす為に照明計画を念密に検証します。

通常の照明設計で使われている器具を補助照明として使い、明るさを確保するための器具は、空間全体を明るくする専用の器具を用いて影が出にくい照明設計を行い、どの場所で作業をしても、光環境が変わらない空間を実現しました。

2.店舗完成(完成写真)

住宅街に、柔らかい光が灯る落ち着いたおしゃれな個室美容室ができました。

まとめ

小規模・狭小物件の場合、欠点を補い、長所を最大限に活かす技術が必要です。

小さい店舗だからこそ醸し出せる”特別感”で差別化をはかることに重きを置いてつくったお店の事例でした。

ロベイションでは、競合と戦わない、新しい価値を生み出す狭小店舗づくりをお手伝しています。

どんな設計手順で進めるのか知りたい方は、ぜひ500円体験会からお店づくりの「設計フロー」や「顧客リサーチ」といった、弊社が普段お手伝いしている業務の一部を体験していください。

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17坪の物件に美容室の完全個室サロンを設計した実例でした。

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