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美容室開業の際に気を付けたい内装デザインと費用のバランス

美容室開業の際に気を付けたい内装デザインと費用のバランスのイメージ画像

美容室を利用するお客様の目的は、ヘアスタイルをきれいにすることや髪質を改善することだけではありません。美容室のおしゃれな雰囲気を味わいたいという理由で来店するお客様も多くいます。そのようなお客様にアピールするうえで、内装のクオリティは重要なポイントです。

内装がおしゃれなほど集客力は高まりますが、予算が膨らんで経営を圧迫することもあります。サロンの経営を成功させるには、予算とのバランスを取りながらいかに内装のクオリティを上げるかが重要なポイントの一つとなるでしょう。

ここでは、予算を抑えつつベストな内装を実現し、集客力のある店舗を作るためのポイントを説明します。

これから美容室を開業しようと考えている方!開業するために必要な心構えや開業までのスケジュールなど、内装デザイン以外にも重要なポイントが沢山あります。要点を抑えてスムーズに美容室を開業させましょう。
⇩参考記事:
目指せ独立!失敗しない美容室開業のノウハウとは?

目次

1.美容室開業で内装デザインが大切な理由は?設計で考えるべきこと

美容室開業で内装デザインが大切な理由は?設計で考えるべきことのイメージ画像

美容室の数はコンビニの約4~5倍とされます。2012年の厚生労働省統計によれば、美容室は約23万店舗、コンビニは約4万6,000店舗となっています。これだけ多くの美容室がある以上、他店との差別化は不可欠です。内装は他店との差別化で重要なポイントの一つとなります。ここでは、美容室の内装をデザインするときに考えるべきことをまとめます。

1-1.集客率アップのための美容室の内装デザイン

美容室の内装はお客様のためにデザインをするのが基本です。サロンオーナー個人の感性を表現することも大事ですが、趣味で開業するのでなければお客様に好かれる内装を第一に考えるべきでしょう。

以下では、美容室の集客率を上げるための内装のポイントを解説します。

1-1-1.ターゲット層にマッチしたデザイン

成功する美容室は開業前に必ずターゲット層を明確にしています。運営をしていくなかで実情に合わせてターゲットを変更することもあるでしょう。

しかし、開業当初も開業後も常にターゲット層を明確に意識しているのは、成功する美容室の共通点です。

どのターゲット層でも、好む内装にはある程度の傾向が見られます。ターゲット層が決まっている以上、内装もそのターゲット層に合わせてデザインするべきです。同じ顧客層をターゲットとする競合店のテイストもよく調査するべきでしょう。

ターゲット層を調査してマッチした内装デザインを考えるイメージ画像

1-1-2.個性とインパクトのあるデザイン

美容室のデザインではインパクトも大事です。ターゲット層に合わせることを意識すると、しばしば没個性な内装になってしまうケースもあります。ターゲット層が好むポイントを押さえたうえで、何らかのアクセントを加えるようにしましょう。

個性的なデザインは街の情報誌やファッション誌などに取り上げられることも多くなります。これは費用がかからない広告と言えるでしょう。内容によっては通常の広告以上の宣伝効果を生み出すこともあります。

もともと美容師になる人やサロンを開業する人は、ファッションや芸術に対するこだわりが人一倍強いものです。

しかし、ファッションや芸術にこだわりがあると言っても、店舗のデザインについてはイメージするのが難しく、出来ればプロにお任せしたいと言う方も多いです。

個性のある内装をデザインすることは、宣伝効果などを抜きにしてもユーザーに喜んでもらう為、取り組みたい人が多いでしょう。ターゲット層の好みの範囲内で、感性を最大限発揮することが美容室の内装で差別化をする一つのポイントです。

個性的な外観のデザインや、おしゃれな内装の美容室づくりには抑えるべきポイントが多くあります。下記の記事も参考にしてみてください。
⇩参考記事:
おしゃれな内装の美容室を開業する方法

1-2.自己満足ではなく顧客の満足を意識したデザイン

店舗の内装デザインを検討するときは、しばしば自分の好みに走ってしまいがちです。

しかし、美容室はあくまでお客様のためにあるものです。自分のこだわりや好みより、お客様にとって気持ちの良い空間をつくることを最重視しましょう。長時間利用しても疲れずリラックスできる、清潔感があるなどが特に重要なポイントと言えます。
自己満足ではなく顧客の満足を意識したデザインのイメージ画像

1-3.作業効率とメンテナンス効率を考えたデザイン

美容室の内装は美しさだけではなく実用性も重要です。お客様の案内からシャンプー、カットにいたるまで、すべての作業をスムーズにこなせるようスタッフの動線を意識する必要があります。

導線とは

人や物が移動する経路や軌道の事。動線にはスタッフ動線とお客様動線があり、店内で動いている人や物の「通行量・交わり」を線で確認する際に用いる言葉です。

また、シャンプー台やトリートメント器具などの電気を使用する機器のレイアウトに合わせて、コンセントも適切に配置することが必要です。清掃の効率を考えることも重要になります。見た目が美しくても清掃がしにくいデザインだと、スタッフの余裕がないときに清掃が行き渡らず、清潔感が損なわれやすいものです。清掃がしやすいシンプルなデザインにすれば、スタッフの清掃作業の負担も小さくなります。その分、スタイリングの練習などに時間を割くことができ、スキルも向上するでしょう。

清掃がしやすいことに加えて、少々の汚れなら目立たないデザインにすることもポイントです。

たとえば、白い床は少しゴミが落ちている、汚れがついているというだけでも目立ちます。女性の履いているヒールは、床に黒い線状の汚れを残しやすくモップで強くふかないと汚れが落ちにくい事もあります。

しかし、濃い色で何らかの模様がついている床や白くても模様が入っている材料であれば、ゴミや汚れも目立ちにくいものです。

このようなデザインなら、ひっきりなしに清掃に追われることもなくなり、スタッフの負担も軽減できるでしょう。

2.内装デザイン決定までの注意点

内装デザイン決定までの注意点のイメージ画像

美容室の内装で考えるポイントは、他の業種でも共通するものと美容室独特のものがあります。美容業界に限らず、1つの業界の店舗経営で成功した人が他業界の店舗経営で失敗してしまうケースはよくあるものです。美容室独特のノウハウは内装のデザインに関してもあります。以下では、美容室ならではの内装デザインの注意点を説明します。

2-1.運転資金を確保したうえでの内装費用確保

美容室にとって内装は集客力にも関わる重要な要素です。

また、美容業界なのでオーナー自身も美的なこだわりが強いケースも多いでしょう。そのため、内装に高額な費用をかけて開業するケースがしばしば見られます。

内装にこだわるのは良いことですが、それが理由で開業後の運転資金を削るようでは危険です。おしゃれな美容室を作ることも大事ですが、何より重要なのは店舗を閉鎖しないことです。そのためには、運転資金を十分に確保しなければなりません。内装にかける費用は運転資金を確保した後の余力のなかでやりくりしましょう。

2-2.美容室経験のある業者への設計依頼

設計業者にデザインを依頼するときは、美容室設計デザインの経験がある業者に依頼すべきです。他業種の店舗とは違う独特のデザインのポイントが、美容室の設計には多くあるからです。

また、美容室だけを設計している会社よりも、飲食店や物販店などの他分野のデザイン実績がある事を確認しておきましょう。美容室だけを専門設計している会社は、オーソドックスなレイアウトを用いたプラン提案になってしまい、他店との差別化されたデザインやこだわりが反映されたデザインを提案するのが難しいのです。

たとえば、鏡の配置もその一つです。美容室ではしばしば鏡越しに他のお客様と目が合ってしまうことがあります。低価格な美容室では特に気にせず、作業効率を考えてこのような配置にすることもあるでしょう。

しかし、ある程度高級な美容室ではお客様のプライベート感を損なわないよう、鏡の配置にも細心の注意を払っています。この時、プライベート感=半個室や個室を提案するのではなく、違った視点からの提案ができる経験と実績が求められます。

飲食店や物販店といった他業種の経験があることで、活かせるアイディアを用いた柔軟で自由なプランを提案してもらえます。

他にも、お客様の満足度を高めるためのレイアウトの注意点は多くあります。これらの注意点は互いに干渉することも多く、すべてを満たすのは困難です。そのなかでも、できるだけバランスよくすべての要素を満たせるようなデザインを考えなければいけません。美容室設計の経験がある業者のほうが、このような難しい課題でもクリアしやすいでしょう。

3.居抜き物件での内装デザインの注意点

居抜き物件での内装デザインの注意点のイメージ画像

美容室は居抜き物件で開業することもできます。

居抜き物件は前に営業していた店舗の内装や設備、什器などが残った状態で引き継ぐ物件です。自由なレイアウトがしにくい反面、内装や機材の導入にかかる費用を大幅に軽減できるメリットがあります。

居抜き物件で美容室を始めるときのポイントは、まず前の美容室がなぜ失敗したのか原因を探ることです。立地が原因だったら、同じ場所で美容室を開業しても失敗する可能性があるでしょう。接客や技術などその他の原因なら、自身の店舗経営の工夫次第で成功できます。

もう1つのポイントは、前の店舗との差別化です。居抜き物件は前の店舗の内装や設備がそのまま残っているため、工夫をこらさないと前の店舗と似たコンセプトになってしまいます。たとえば、雇うスタッフの人数は席数に左右されます。席数の多い居抜き物件で開業するなら、採用計画もそれに合わせて変えなければいけません。

このように、物件に合わせた計画を立てていると、いつの間にか前の店舗と似たような店舗になってしまうことがよくあるのです。このような失敗をしないためには、美容室の成功事例を多く学ぶ必要があります。成功のケースを多数知っていれば、同じ居抜き物件を見ても多様なアイデアを出すことができるでしょう。

居抜き物件を高いレベルで有効活用するため、美容室経営のケーススタディを多くするようにしてください。

■居抜き物件での内装デザインの注意点-まとめ
・前の店舗がなぜ失敗したのか原因を探る。
・前の店舗と似ないための差別化が必要。

4.どうして高額になるの?美容室内装費用の実態とは?

どうして高額になるの?美容室内装費用の実態とは?のイメージ画像

美容室の内装費用は大体どのくらい必要なのか、開業を検討している人は特に気になるでしょう。また、極力低コストで開業するべきということを知りながら、多くの美容室の開業で内装費用が膨らんでしまう理由も気になる人が多いはずです。

以下では、これらのポイントを説明します。

4-1.開業費用のうち内装費用が占める割合

美容室の開業費用のうち、内装費用が占める割合は50%程度とされています。他設備工事が少ない業種の店舗では30%前後が主流です。しかし、美容室では給排水のための配管工事やその他の衛生設備工事が必要なため、内装費用の割合が高くなります。その他の開業費用の項目はテナント賃料、設備費、初期の広告宣伝費、開業後の運転資金などです。運転資金については人件費や水道光熱費、シャンプーやカラー剤などの消耗品費、継続する広告宣伝費など多様な項目があります。開業後しばらく売上が立たなくても、これらのコストをすべて払えるだけの開業資金を用意しておくのが理想です。

4-2.内装費用の坪単価目安

美容室の内装費用の相場は、目指すクオリティや設計の内容によってばらつきがあります。一般的な設計とクオリティなら、坪単価20~40万円程度が相場です。少しレベルが上がると坪単価41~55万円程度となります。さらに上のレベルでは坪単価56万円を超えることもあります。

5.内装費用が高額になる原因とは

内装費用が高額になる原因とはのイメージ画像

美容室の内装費用が高くなる理由は、給排水や衛生関連の設備工事が必要なことにあります。特に費用がかかるのがシャンプー台の設置です。水の水道管、お湯の水道管、排水用の管の3本がそれぞれのシャンプー台に必要になります。これらの配管は主に床下に通すため、床の底上げ作業も必要です。また、壁から水道管を出してシャンプー台と接続するために、壁のはつり工事も必要になります。

はつり工事とは、コンクリートの掘削・破壊・切断・穴あけなどの作業のことです。配管だけではなく、ボイラー設備の導入が必要なこともあります。美容室はお湯の使用量が多いため、通常の店舗での利用を想定したボイラーではお湯が足りなくなるからです。ボイラー設備の交換や増設が必要になると、さらに費用が膨らみます。

その他、エントランスの内装にも費用がかかります。エントランスはサロンの顔なので、受付のカウンターも高級感のあるものを導入することが多くなります。その他にも美容室の内装は多くの部分で美しさを要求されるため、この点でも他業種より内装費用が高くなりやすいのです。

6.美容室開業でかさみがちな内装費用!抑えるための工夫とは?

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美容室の開業では、業務の特性からどうしても内装費用が高くなりがちです。しかし、店舗の経営を安定して続けていくためにはできるだけ初期投資を抑え、余裕資金を確保する必要があります。以下では、美容室の開業時に内装費用を抑えるための工夫を紹介します。

6-1.相見積もりをとる

設計や施工を業者に依頼するとき、相見積もりを取るのは有効です。どの業界でも自社のみに見積もりを出している顧客に対しては、高めの金額を提示する業者が多くなります。しかし、このような業者も顧客が相見積もりを取っているとわかった途端、提示金額を下げることがしばしばあるものです。

相見積もりをすれば、工事費用の値下げができるだけでなく費用の相場を知ることもできます。内装工事を依頼する業者を決める前に、できるだけ相見積もりを取るようにしましょう。

6-2.15坪、10坪ほどの狭い店舗も検討する

あえて小さい店舗からスタートするのも一つの選択肢です。

15坪、10坪ほどの小さい店舗であれば内装工事費が安くなるのはもちろん、地代家賃も安くなります。導入するシャンプー台やカット席も減るため、機材や備品のコストも下がるでしょう。また、少人数のスタッフでも店舗を回せるので、人件費も減ります。店舗を小さくするだけで、運営にかかるすべてのコストを削減できるわけです。しかし、その分売上は小さくなりますし、利益が出ても少額になります。サロンビジネスによって大きな利益を出したいと思っているなら、小さい店舗は不向きでしょう。ただ、大きな利益にこだわっていないのであれば、小さい店舗でアットホームさを打ち出して営業するのも良い手段です。

チェーン店は回転が速くて落ち着かない、高齢のため若い人が多く集まる美容室には行きづらいと考えているお客様もいます。そのようなお客様は、小規模でもアットホームなサロンを好んで利用してくれるでしょう。客層は限定されますが、できるだけ経営のリスクを下げたいと思っている人には小規模な美容室の経営は向いています。

費用に関する内容を中心に15坪以下の美容室づくりを解説している、「15坪より小さい 美容室の開業について」を一つ一つじっくり読んでいただき、15坪、10坪ほどの狭い店舗を出店する際の参考にしてください。

6-3.オーダーメイドは避けシンプルな内装にする

受付のカウンターなど、オーダーメイドのものを発注すると費用も高額になります。既製品や現場制作をうまく組み合わせてシンプルな内装にすれば、内装費用もかなり抑えられるでしょう。デザインが味気なくなるのを防ぐために、アクセントになるアートフレームや観葉植物などのアイテムを効果的に取り入れるのがポイントです。

6-4.建具のグレードを落とす

建具とは、ドアや窓など開閉できる部分のことです。建具が無駄に華美になっていないかをチェックしましょう。特にエントランスの扉などは豪華にすることも大切です。しかし、その他の窓ガラスなどはインテリア全体のバランスが重要になります。全体の雰囲気と調和している建具であれば、高価なものでなくてもオシャレに見えるものです。内装の予算が少ないときにはまず低いグレードの建具を選び、その雰囲気に合うように全体をデザインするという発想もいいでしょう。特に、バックヤードなどお客様に見えない部分の建具はシンプルにするべきです。スタッフの休憩などに使う部分なので、あまり粗末なものにするとスタッフのモチベーションが下がってしまうでしょう。

しかし、最低限のグレードを保つシンプルなデザインにしていれば、スタッフの士気に影響することはありません。建具に限らず、お金をつぎ込む部分とそうでない部分のメリハリをしっかりつけるようにしましょう。

6-5.居抜き物件をえらぶ

美容業界でもその他の業界でも、居抜き物件の活用は開業資金を抑えるための有効な手です。特に、きれいなトイレが付いている物件は、トイレのリフォーム費用がかかりません。居抜き物件のリフォームのなかでも、トイレは特に費用がかかる部分です。それがカットできるのは大きなメリットでしょう。

空調が設置されている居抜き物件も有利です。空調が設置されていな物件の場合、新しくエアコンを購入する費用と設置工事だけでも高額になります。また、換気扇の工事が必要な場合は費用が大きく膨らみます。一見すると割安な居抜き物件でも、換気工事で高額な費用が必要になるケースがしばしばあるものです。居抜き物件を検討するときは、空調の有無もよく確認するようにしてください。

6-6.中間マージンのカット

どんなサービスでも中間マージンをカットすれば料金は安くなります。それは美容室の設計や施工でも同じです。間に美容室を開業するためのコンサルタントなどが入っていると、その分費用が高くなってしまいます。開業コストの削減にこだわるのであれば、コンサルタントを抜きにして直接業者と交渉するのがいいでしょう。

ただ、コンサルタントを通して依頼することにもメリットがあります。美容室の開業に関して豊富な知識や経験を持っていますし、業者とのネットワークによって通常より安い見積もりを取ることもできるからです。中間マージンをカットすることは大事ですが、信頼できる優秀なコンサルタントなどは間に立ってもらってもいいでしょう。

6-7.大手施工会社には依頼しない

店舗の開業時は、大手の施工会社に依頼するのが安心と思っている人は少なくないでしょう。しかし、大手の施工会社ほど料金が高額にある傾向があります。大手は組織が大きい分、人事部や広報部など直接作業に関わらない部署を多く抱えていて、そのコストが上乗せされているからです。

逆に、中小の業者はそのようなコストがないため、安い見積もりを出してくれます。業界の相場を把握するためなら、大手の施工会社に見積もりを取るのもいいでしょう。あくまで相場を知るために活用し、実際の施工の発注は避けるべきです。

7.理想の美容室のために優良な業者を探したい!内装デザイン設計と施工会社を選ぶポイントは?

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美容室の店舗づくりでは、最大の鍵の一つが業者選びです。自身が目指すコンセプトを、予算の範囲内でイメージ通りに実現してくれる業者を選ぶ必要があります。そのような実力のある業者を選ぶためのポイントを説明します。

7-1.業者への発注の仕方2種類

美容室の内装工事を業者に発注する場合、方法は2通りあります。1つは設計施工、もう1つは分離発注です。設計施工では、店舗のデザインから実際の工事まですべて1つの業者に依頼します。分離発注は、設計と施工をそれぞれ別の業者に依頼するものです。それぞれのメリットとデメリットを解説します。

7-1-1.設計施工のメリット、デメリットについて

設計施工はすべての工程がスムーズに進むのがメリットです。設計と施工を同じ業者が行うため、施工スタッフも設計のコンセプトをよく理解して作業してくれます。実際に完成する内装も設計時のイメージに近づきやすいでしょう。

逆にデメリットとなるのは、工事費用が高くなりやすいことです。設計施工では内装工事のすべてをその業者に依存する形になります。競争原理が働かず、その業者が自由に価格を決めることができるのです。そのため、分離発注と比較すると費用が高くなる傾向が見られます。

POINT
メリット:設計と施工を同じ業者が行うため、すべての工程がスムーズに進む。
デメリット:競争原理が働かず、その業者が自由に価格を決めることができるため、工事費用が高くなりやすい。

7-1-2.分離発注のメリット、デメリットについて

分離発注は費用が安くなることがメリットです。設計と施工を別々の業者に依頼するため、特定の業者に依存することがありません。同じレベルのサービスで低い料金を提示してくれる業者を、シビアに選別することができます。

デメリットは業者の選別に時間がかかることです。また、設計業者のコンセプトが施工業者に正確に伝わるようにフォローする必要があります。

POINT
メリット:特定の業者に依存することが無いため、費用が安くなる。同じレベルで低い料金を提示してくれる業者を、シビアに選別することができる。
デメリット:業者の選別に時間がかかる。

8.実際の内装工事の流れとは?確認に確認を重ねて万全に!

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これから美容室のオーナーになる人のほとんどは、内装工事を初めて経験するでしょう。どのような流れで工事が進んでいくのか、まったく検討がつかないことも多いはずです。内装工事の流れ自体はシンプルで、それほど難しいものではありません。しかし、それぞれの段階で意識するべきポイントがあります。それらのポイントも踏まえて、美容室の店舗内装の工事の流れを説明します。

8-1.立地、物件選定

内装工事以前に、美容室を開業するときに最初にすべきことが立地と物件の選定です。美容室のコンセプトは立地や物件の条件と一致している必要があります。薄利多売の美容室なら人通りの多い立地で広めの物件を選ぶべきです。アットホームな隠れ家的サロンを目指すなら、多少不便な立地で狭い物件でもやり方次第で成功するでしょう。どのような美容室を開業するにしても、最初にコンセプトに合った立地と物件を探す必要があります。

8-2.内装工事業者選定

立地と物件が確定したら、内装工事業者の選定に入ります。人によっては先に店舗のイメージ図を描くなど、自分で内装のプランを練ってから業者を選定することもあるでしょう。一方、プラン自体を業者に練ってもらうために、先に業者選定から始める人もいるはずです。どちらにしても、業者には必ず現地調査をしてもらう必要があります。現場を見て初めて正確な見積もりが出せるからです。

それぞれの見積もりが正確な金額になれば、業者の比較ができます。特に、設計の段階から業者に依頼する場合は、現地調査が不可欠です。その業者に依頼したらどんなデザインの提案をしてくれるのか、現場を見た後の提案で判断するべきでしょう。過去の実績も重要ですが、大切なのはこれから自分が作る店舗で良いデザインをしてくれることです。それができるか判断するには、実際に物件を見た後でラフな提案をしてもらうのが一番でしょう。

これは業者にとってはすでに業務が始まるようなものですから、料金が必要なこともあります。しかし、正確な比較で優良な業者を選びその後の設計が順調に進むなら、ある程度の料金を払う価値もあるでしょう。

8-3.内装工事請負契約

業者の選定が完了したら、工事を始める前に内装工事請負契約を結びます。一度契約を結んだ後で計画を変更するのは難しいので、最初の確認をしっかりしましょう。設計と施工の業者が別々なら設計のイメージを正確に伝えるところから始まります。イメージを共有したうえで工事計画を細部までチェックし、工事費用の支払日や支払方法も確認しましょう。

8-4.内装工事開始

内装工事請負契約が完了したら、内装工事が始まります。工事にかかる期間は、20坪前後の広さで何もないスケルトン状態から始めるなら、大体1カ月程度とされています。居抜き物件を活用する場合、工事の内容によってはもっと短くなることもあるでしょう。物件によってはボイラー設備の設置や交換が必要なことがあります。この場合は工程が複雑になるため、工事期間も延びる可能性があります。

内装工事で重要なことは、すべてを業者まかせにはしないことです。業者を信用することは重要ですが、自身と業者が描いている完成イメージが食い違っていることもあります。また、業者も人間なのでミスもあるでしょう。作業をチェックしていて「イメージと違う」「契約内容と違う」と感じた部分があれば、随時指摘する必要があります。業者のミスのこともあれば、イメージの共有不足のこともあるでしょう。どちらにしても、現場をよくチェックしてこそ初めて気づくことです。

トラブルの芽を早い段階で積めるように、工事の進捗チェックはできるだけ小まめにしてください。

8-5.完了検査

工事がすべて終わったら完了検査をします。ほとんどの業者は完了検査のため現場に立ち会ってくれます。工事途中の段階で小まめにチェックをしていれば、この段階での修正は少なくなるでしょう。しかし、完成した内装を見てあらためて「ここはこうしたい」という要望が浮かぶことはよくあります。完成後でも修正できる内容であれば、業者に相談することも可能です。その場合は、別途料金が必要になることも多くなります。

備品を入れて営業を開始した後では内装の修正はなかなかできません。気になる点があれば、多少料金が必要になっても完了検査の段階で修正を依頼したほうがいいでしょう。

8-6.引き渡し

完了検査とその後の修正が終わり、問題がなければ物件の引き渡しとなります。美容室の内装工事の場合、多くは費用の半額を先に払っています。そして、残りの半額を引き渡しと同時に支払うパターンが主流です。物件が引き渡されたら備品などを持ち込んで開業準備に入ります。

9.比較しよう!内装デザイン会社の見積もりで注意すること

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美容室の内装デザインと施工を依頼するときは、複数のデザイン会社と施工会社に対して見積もりを取る必要があります。会社間で競合させて費用を下げるという目的もありますが、相場を知るためにも複数の見積もりが必要だからです。また、それぞれの会社のデザインや施工の能力は、見積もりなど何らかの接触をして初めてわかることが多くあります。費用のためだけでなく、よりレベルの高い会社に出会うためにも複数の見積もりが必要だと考えてください。

複数の会社から見積もりを取るときには、一括見積を活用するのも選択肢の一つです。以下では、一括見積のメリットとデメリットをまとめます。

9-1.一括見積のメリット

一括見積のメリットは、短時間で複数の業者から見積もりを取れることです。

見積もり用のフォームに必要事項を入力して送信すれば、複数の業者からおおよその見積もりがメール・電話などで連絡されます。これにより内装工事の大まかな相場を把握できます。「一括見積を使ったらそのなかのどこかの業者に依頼しなければいけない」と思っている人もいるでしょう。しかし、ほとんどの一括見積のサービスではそのようなルールはありません。それぞれの業者も簡単な見積もりしか出しておらず、特に負担はかかっていないのです。見積もりが送られてきた業者のなかで良さそうな業者があれば、それらの業者と相談や交渉を進めていきましょう。

9-2.一括見積のデメリット

一括見積のデメリットは金額が正確でないことです。

物件の現地調査や入念なヒアリングをしていない以上、どの業者も正確な見積金額は出せません。一括見積で提示される金額はあくまで相場のイメージをつかむためのものと考えてください。

9-3.相見積もりと一括見積の違い

一括見積と相見積もりは似ていますが、まったく別のものです。

一括見積はシステムに登録されている多数の業者に対して一斉に見積り依頼が送られます。その業者をこちらで選ぶことはできないか、制限があることがほとんどです。

一方、相見積もりは完全に自分が選んだ業者だけに見積もりを取るものです。自分の内装イメージを詳細にヒアリングしてもらったり、物件の現地調査をしてもらったりします。業者と深く関わる見積もりなので、2社か3社程度に絞り込んでから行うのが一般的です。

一般的な方法は、最初に一括見積をして複数の業者に絞り込み、それらの業者に対して相見積もりを取るというものです。相見積もりを取る業者を自分でゼロから探すより、まず一括見積から始めたほうが効率的と言えます。また、設計会社が2社か3社程度の業者に相見積りを取り、見積りを比較してくれるサービスを提供する会社もあります。

このように2つの見積もり方法を合わせれば、信頼できる業者に出会いやすくなるでしょう。

10.納得いくまで見積もりを!美容室開業の成功のカギは内装デザインと内装費用!

内装のデザインは、美容室を開業するときに特にこだわるべき点の一つです。また、内装費用は開業コストの50%前後を占めるため、コストを一番削減できる部分でもあります。ターゲットとする顧客層が満足できるデザインで、かつ予算も抑えるためには、綿密な調査と計画が必要です。他の美容室の開業や成功の事例をより多く研究するべきでしょう。失敗の事例はなかなか表に出ないものですが、失敗の事例を研究することも重要です。施工業者がインターネットで公開している施工例を調べ、自分の理想に近い業者を複数ピックアップしましょう。

自信のイメージを共有出来る設計会社がいれば、相見積りと見積り比較をしてくれるサービスが有るのか確認しましょう。設計資料を元にした相見積を活用すれば、広い範囲から優良な業者を探すことができます。絞り込んだ業者と入念なヒアリングや現地調査を重ね、納得が行くまで見積もりを取りましょう。そうして1社に絞り込んだ時点で、内装工事の成功の可能性はかなり高まっていると言えます。開業の事例を研究することも、見積もりを念入りに取ることも大変な作業です。しかし、低価格で理想的な内装を実現できれば、その後の美容室経営は非常にスムーズになります。安易な内装で開業して、後に経営難に陥るより遥かに楽と言えるでしょう。お客様に選ばれる美容室を作りたいと真剣に願う人は、内装工事の研究と見積もりを徹底することで成功を手にしてください。

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    プロフィール


    長野県出身

     

    資格 : 照明士 / 商業施設士 / 色彩検定2級

     

    飲食店専門のデザイン事務所である株式会社T/Y DESIGNと、日本全国であらゆる案件の設計デザインを請負う株式会社西脇一郎デザイン事務所をへて独立。飲食店や物販店、美容室などの商業に関わる空間の設計デザインを専門にした、株式会社Lovationを2017年に設立。

     

    空間は、人と人の間に位置する大切な環境であることから、「人を起点にした店舗デザインの提案」を大切にしたお店づくりを、丁寧に提供している。

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